【東京喰種】適当“半喰種”は美食家に狙われている。パート4[月山習]

＃191 ページ47

A「ないないない…‥私のYシャツがなあぁぁぁぁああいｯｯ！！！」

新しく買ってまだ1回しか着てなかったのに…！

花の刺繍が可愛かったのに…！

……

誰だ今 鼻で笑ったの。

「何、女子っぽいこと言ってんの」ってか？

うるせぇｯｯ！！


ナキ「どうしたんだ？」

A「気に入ってたYシャツがないの…‥」

ナキ「りびんぐにいいのが置いてあったぞ？」

A「マジで！？」

自分の部屋を飛び出して、リビングへ急ぐ。

リビングに置いといたのか！！

そうかそうか！

そうだったの…‥


……


見慣れた赤いシャツ。


これを見て、何度 派手だと訴えただろうか。

しかし彼は言った。


“これは高い”と。


下を向いて右手で顔を隠す。

A「…確かにいいの(高級品)だ……」

ナキ「だろ！？なんか、この赤がなんかカッコイいよなッ！！」

子供のように笑うナキ。

“ように”っていうかデカい子供だな。


A「さすがに着ていけない…‥」

キレイに畳まれたシャツを手に取る。

私はこんな高級品を身にまとう程 価値のある人じゃない。

何が何でもこれはあの人が着るべきものだ。

A「いいや、いつもので…‥」

ナキ「そういやどこ行くんだ？」

A「大学」

ナキ「俺も行きたい！」

目を輝かせ ねだる。

そんなこと言ったって…

A「ナキができるのは、せいぜい見学くらい…‥」

はｯｯ！！


見学の案内ってことで授業サボれるんじゃ…？


がしっとナキの手を握る。

A「見学だけでもいいよね！？」

ナキ「ケンガク？…俺はだいがくが見たい！」

A「よしOK！早速行こう！」

月山さんだったら「授業出なきゃ」とか言ってサボりを阻止されるからね…

ナキならそんなこと心配しないでしょ。


ナキ「あ…でも……」


下を向いて私の袖を掴む。



ナキ「授業出なくていいのか？」


君はいつから そんなに優しくなったんだい。

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