キミが光 ひかりヒカル〜年の瀬編〜 2

41 F side 過去の真実 2 ページ10

･･･ 聞かなきゃ 良かった。

･･･ 知りたく なかった。




俺が 事情を 知ってると思って
チーフマネが つい 漏らした その真実。

宏光には 隠してあると言う その真実を
本人の耳には 絶対入れないから と
食い下がって チーフから 聞き出した。



今回の《ワケあり》は やはり Gさんとの事。
なかなか受け手が 決まらなかった
Gさんの 共演者 として 宏光が 選ばれた。

後から 共演者に《彼女》もいた事を 知った
事務所が どうしようも 無かった と。



でも ･･･
そんな事 もう どうでも 良かった。
そんな事 よりも ･･･




もう 10年以上も 昔の事だから と･･･
忘れられる 事じゃ ない。
許される 事･･･ でも ない///

その 10年余りの間 ･･･
宏光は ずっと 独りで 抱え込んでたんだ。
･･･《汚れた記憶》として。



宏光は 自分が 勝手に 動いた結果、
その 未熟さと 若さで《彼女》の 攻めから
逃れる事が 出来なかったと 思ってる。

でも･･･ 真実は そうじゃ なかった。

元々 決められた シナリオ だった。
事務所の 他の人が 起こした 問題の
尻拭いとして 《彼女》に 指名されたのが
･･･ 宏光 だった ･･･。



『･･･償っても 償い切れないと･･･
社長も ずっと悩んで 来られてる･･･。
出来る限りの サポートを したいと。

藤ヶ谷、あんたと 北山との 事だって///
普通なら ここまで 事務所が 庇ったりは
しない･･･ 判る だろ？

北山には あんたが 必要だと 判断したから
･･･ 社長が どれだけ 陰で動いてるか。

グループの事に しても ･･･』



「･･･また･･･ 後で 報告します」



最後まで 聞かず
一方的に 通話を 終わらせた。

チーフマネの 言葉が
今は 薄っぺらい 言い訳にしか 聞こえない。
聞けば 聞く程
ふつふつと 腹の底が 煮え立ってくる。



宏光を《獲物》として 差し出す様に
仕向けてきた《彼女》に。

宏光を《人身御供》に差し出した 事務所 に。

その 裏切られた としか言えない 事務所に
庇って貰うしかない 今の 自分達の 立場 に。




会いたい ･･･
逢いたい ･･･
会って ふわりと笑う 顔が 見たい！
早く この腕に 抱きしめて やりたい！


理不尽な 過去なんか 全部 忘れて しまえ//

･･･ 宏光 ･･･////



被ってた ハットを 顔の上に 乗せ直す。
隙間から 流れ落ちる 滴 ･･･

抑えても 漏れ出る 嗚咽 ･･･

マネに バレても ･･･ 構わない。

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