キミが光 ひかりヒカル〜年の瀬編〜 2

42 Y side 買い出し 1 ページ11

「じゃ、みっちゃん///
ちょっと 行ってくる ね！」

「おぅ/// 疲れてんのに 悪りぃな。」

「･･･なんの。 お気遣い なくー//」


深緑色の コタツ布団から
ちょこん と はみ出す 小さな顔。
悪い と 他人を気遣う その顔色は ･･･
相変わらず 良く ない。



昼前から 夕方にかけての VTR撮影。
周囲に みつの 異変を 気付かれない様に
腫れ物に 触る様に ビクビクで 過ごした
数時間 ･･･
佐野先生も 俺も グッタリ 疲れた。

いや、一番 疲れたのは やはり みつ だ。


スタジオに 着いて
メイクも 着替えも 全て 自分で やった。
撮影中も スタッフさんが 近づく度に
身体を 強ばらせ 一定以上 寄せ付けない。

段差が 見えなくて つまづいても･･･
椅子の背に 掴まって 踏ん張る程に
フラついても･･･
みつは 独りで 持ち堪えてた。


無事に 撮影を 終えた事が ･･･奇跡 だ。



撮影終了後、取り敢えず
速攻 みつを 家まで 連れ帰り
何とか 点滴の チューブだけ 取り付けた。

ガチガチに 緊張して 呼吸を乱す みつの腕に
バタフライの針が 固定されてたのが
唯一の 救いだった。



そして ･･･ 今、

俺は 晩ご飯の 食材買い出し を理由に
みつを 佐野先生に 任せて 家を出る。



『今 出たとこ。宏光は どう？』

太輔から LINEが 来たのが 3時過ぎ。
スタジオの 片隅に立つ 俺の スマホが震えた。

真っ直ぐ 車を飛ばせば
5時には 自宅に 着くだろう。

みつも 俺も 待ち侘びてる 太輔の 帰宅。
でも 今は ･･･
みつに 会わせる前に どうしても
伝えておかなきゃやらない 事が ある。


『撮影は 順調。家に帰る前に
晩の買い出しに 付き合って欲しい。
〇〇の近くの カフェで 落ち合おう。』

みつが 一緒とも、別だ とも書かずに
送った 返事。

太輔から 折り返し 詳細を知りたがる
電話が来るかと 思ったが それもなく。


5時過ぎに また 太輔から 来た LINE。

『カフェに着いた。宏光も来る？』

『みつは 家で 休ませる。俺も 今から行く。』

『りょ。』



.

「･･･はぁ ･･･」

ハンドルを 握りながら･･･
今朝からの 出来事を どうやって
太輔に 伝えたものか と
一向に 浮かない気持ちを 乗せて
待ち合わせの カフェへと 車を 走らせる。

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