キミが光 ひかりヒカル〜年の瀬編〜 2

43 Y side 買い出し 2 ページ12

俺が 指定した カフェ。
一番奥の 隅っこに･･･

いた。

真っ黒の ハットに 同じく黒のグラス。
壁側のシートに 深く腰掛け
周囲を 拒む様に 俯いて 腕組みしてる。

店の 目立たない 隅 なのに･･･
黙って 座ってるだけでも
やはり その存在は 常人の ソレとは
違う 雰囲気を 隠し切れて ない。


俺は これから伝えなきゃならない
重苦しい話を 上手く整理できてないまま
その 一画に向かって 足を進める。


「･･･ お疲れ･･･ 待った？」

少し 顎を左右に振って 声に 応える仕草。

「いや･･･。 ･･･ 座れば？
･･･ 話 ･･･ あんだろ？」


･･･？ 何だろう。
たった 二日間 離れてた だけなのに
太輔から 感じる 疲労感が ハンパない。
声も 掠れて 心なしか 鼻声で･･･
･･･ 風邪 ひいた か？

コートを 椅子の背に掛け
向かいに座れば
栗色の髪の 小柄な 男の子が オーダーを
取りに来た。


「･･･ブラック を。」

カウンターへ戻る 後ろ姿に
どことなく 見覚えがあり ･･･

(･･･あぁ･･･ みつに 似てる のか･･･)


今頃 ･･･
ちぎれそうな 細い 細い 糸で
必死に 心を 繋ぎとめ
独りで コタツに 潜ってるだろう
みつに 想いを 馳せる。



「･･･ で ･･･ 宏光 は？ ･･･寝て る？
･･･ 大丈夫 ･･･ なんだ よ な？」


探る様に 恐る恐る 聞いてくる 声は･･･
やっぱり 掠れている。

俺は 取り敢えず 昨日 電話で伝えた 内容を
おさらいするかの様に 並べていく。

Gさんとの 収録は 上手くいった事。
優馬にも 色々 助けて貰えた事。
みつが キツい発作で 意識を失った事。
また薬を飲むと 吐くようになった事。
夜中 うなされて 殆ど寝れてない事 ･･･


太輔は 俺の ひと言ひと言に 頷きながら
冷静に 聞いている･･･ ように 見えた。



「それから ･･･今朝は な･･･
みつ 一人で シャワー 浴びて･･･さ。
心配してたけど 熱も 出してないし･･･

仕事もな、きっちり 頑張って･･･さ。
お前が 早く帰って来るんならって･･･な。

俺 出て来る時は コタツに 潜って
お前が 帰って来るの 待ってるって･･･


･･･ ･･･ｯ/// 太輔 ･･･ ただ な ･･･

みつ な ･･･ 触れない んだわ･･･。

他の人の 手が 触れるのが 怖いってか･･･
･･･ 今朝 起きたら そうなってて。
俺も 佐野先生も 全く アウト で･･･。

今日は ずっと 何をすんのも
みつ 独りで･･･ スマン/// 」

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