5人の怪盗と生きる宝石 第3幕

mission83 ページ4

朱桜司side





瀬名｢…チッ！｣



鳴上｢んもぅ、泉ちゃんたら舌打ちしないの！｣



瀬名先輩は不機嫌そうに顔を顰めながら鳴上先輩の事を睨んだ。



瀬名｢舌打ちしたくもなる状況なんだけどぉ？Aがさらわれて、くまくんが敵になって、挙句の果てにレオくんもどっか行くし！ほんとなんなの！？｣



鳴上｢それもそうだけど…今まともに動けるのはアタシ達3人しかいないのよねぇ…とりあえず今できることをやらないと。｣



鳴上先輩は瀬名先輩を窘めつつ、どこかから何かの資料を持ってきた。



朱桜｢これは…？｣



鳴上｢今まで凛月ちゃんと関わりがあった人達の資料よ。Knightsが今最も優先としているのはAちゃんの奪還。でも、そっちには一足先に王様が突っ込んで行ったみたいだからアタシ達は違う角度から切り込むの。｣



瀬名｢…なるほどね。それで、くまくん側の情報から先に集める訳か。確かに、ただAを取り返すだけなのは無謀だしねぇ。｣


瀬名先輩が渋々承諾すると鳴上先輩はウインクをして、資料を広げた。



鳴上｢そういうことよ。アタシ達Knightsは下調べを入念にする怪盗。こんな時こそ慎重にしないとね。｣


朱桜｢それでは…leaderとは別行動ということでしょうか。先にお姉様を取り返しに行くleaderと、遠回りに凛月先輩の情報から集める私達で。｣



瀬名｢まぁ、そうだねぇ。ここで俺らまでレオくんに付いて行ってたら確実に全滅してたと思うし？そうするしかないよね。｣



凛月先輩の関係者を見漁って数分たった頃。ふと、鳴上先輩がとある資料に目を向ける。


鳴上｢…あら。そういえばこの子も凛月ちゃんの知り合いだったわね。あの"換金屋"の。｣


瀬名｢！換金屋！？｣



鳴上｢確かあの4人の中に泉ちゃんの知り合いもいたわよね…そして、凛月ちゃんもこの子にベッタリだったみたいだし…うん、不本意だけど次の行先は換金屋で決まりね。｣


鳴上先輩がそう言った瞬間、大慌てで身支度をする瀬名先輩。



朱桜｢えぇと…？これは…｣


鳴上｢気にしないで、司ちゃん。あ、これその換金屋の資料よ。司ちゃんも読んでおいてね。｣




そう言われて鳴上先輩に資料を渡された。




その資料にはこんな名前が書かれてあった。



"衣更真緒"と。









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