mission101 ページ22
朔間凛月side
数時間前
蓮見「朔間弟。」
敬ちゃんに呼び止められて、Aの部屋に向かっていた俺の足が止まる。
凛月「…何」
蓮見「お前にこれを預ける。」
そう言われて渡されたのは、親指程の大きさの小瓶だった。
凛月「何これ。」
俺がそう聞くと、敬ちゃんは声を潜めてこう言った。
蓮見「3日以内にこの小瓶にAの血を入れて持ってこい。そしたらお前の望みを叶えてやる…と、英智…陛下が言っていた。」
凛月「なんでそんなこと…」
蓮見「お前が知る必要は無い。お前はただ陛下に言われたことをやれ。…Aの血のとり方はお前に任せる。寝てる時に抜きとるも良し。ナイフで血を流させるのも良し、だそうだ。わかったな?」
A「凛月君は、五奇人の朔間零さんの弟なんでしょ?」
凛月「…っ!」
俺はほぼ無意識にこいつを押し倒し、首元にナイフを突きつけていた。
(あぁ、今ここで首を掻っ切って血を回収するのもいいね…!)
敬ちゃんは生かせとも殺せとも言っていなかった。
俺は今、Aの命を握っている。俺が絶対的に有利な状況…だというのに
凛月「なんで…笑ってる訳…?」
こいつは…Aは、俺の目を真っ直ぐ見つめて微笑んでいた。
そして…俺をゆっくりと抱きしめた。
凛月「なっ…!?」
首に突きつけたナイフから少しだけ肉を斬った感覚がする。
当たり前だ。俺が首元にナイフ突きつけている状態で抱き寄せたのだ。少しくらい肌が切れてしまうに決まっている。
そんなの分かってるはずなのに…こいつは俺を抱き寄せたのだ。
A「凛月君…辛かったね…」
凛月「何言って…」
こいつの首からは血が滴り落ちている。
俺がAから距離を取ろうとした瞬間。
A「凛月君は凛月君だよ…あなたは皆に必要とされている、唯一無二の存在なんだよ…?」
凛月「え…」
俺は、こいつから距離を取ろうとしていたのに…その場から、動けなかった。
力が…入らないのだ。
A「いいよ、泣いても…」
Aは俺を抱きしめる力を強めてそういった。
そう。何故か俺の目からは…涙が零れていた。
凛月「…っ…!」
なんでこいつは俺に優しくするの?
なんでこいつは血が出てるのに気にしないの?
なんでこいつは
俺が欲しかった言葉をたくさんくれるの…?
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リューゲ(プロフ) - yudukim0110さん» 励みになります!頑張ります! (2023年1月8日 4時) (レス) id: ab9e6bad9c (このIDを非表示/違反報告)
yudukim0110(プロフ) - 凛月くんが安定のかっこよさ🫶紅郎さん敵だけどかっこいいんだよな、惚れちゃう。いや毎回終わるタイミングが完璧なんですよ!続き楽しみにしてます😋 (2023年1月7日 21時) (レス) @page30 id: 114e667087 (このIDを非表示/違反報告)
リューゲ(プロフ) - @yudukim0110 コメントありがとうございます!!こんな駄作を面白いと言って貰えてとても嬉しいです😭紅月は強者として出したかったんです😊凛月君の夜型個性は消しちゃいましたが吸血鬼っぽく見せれるように頑張ります😊 (2023年1月6日 0時) (レス) id: ab9e6bad9c (このIDを非表示/違反報告)
yudukim0110(プロフ) - ここで紅郎さんが来るか。。!毎回面白くて尊敬です🫠はい、吸血鬼っぽいです。。。(笑) (2023年1月5日 19時) (レス) @page29 id: 114e667087 (このIDを非表示/違反報告)
リューゲ(プロフ) - @ひーちゃん ありがとうございます!更新の励みになります!!これからも頑張ります! (2022年11月27日 18時) (レス) id: ab9e6bad9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リューゲ | 作成日時:2022年11月27日 17時