5人の怪盗と生きる宝石第2幕 (ページ46)

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Another Story2-1 ページ46

瀬名side

これはレオくんが15歳のになったばかりの頃の…くまくんとの出会いの話。

-3年前-

凛月｢ごめん。買い物にお金が必要だったなんて知らなかった。｣

瀬名｢…はぁ！？｣

あぁ、ひょっとしたら俺はとんでもない奴を拾ってしまったのかもしれない_____

事の発端は数日前。俺が行き倒れてたボロボロの男を匿った時から始まった。

元々俺とレオくんはとある理由で表社会から消えてから半年程はセレナイト王国の西部で盗賊狩りをしながら懸賞金を稼いで暮らしていた。

懸賞金が目標額まで届いたからやっとアジトを首都に移すことが出来たというのに…

凛月｢へぇ、これがお金かぁ、初めて見たかも。｣

…旧アジトからの引越し作業中、たまたまこいつが森に行き倒れているのを見つけてしまい、成り行きで拾う羽目になったのだ。

(いや、だとしても！普通人を拾うことになってもここまで世間知らずなのはありえないでしょ！？こいつ今までどうやって生きてきたわけぇ！？)

そう。凛月と名乗っているこの男、常識が一切通用しないのである。

ある時は

凛月｢ねぇ、足痛いんだけど。凄い血が出てる。｣

瀬名｢あんたまさか靴履かないで外で歩いた訳！？｣

裸足のまま外出したり。

またある時は

凛月｢ねぇ、これ落としたら壊れちゃったんだけど。｣

瀬名｢陶器で出来てる食器を落としたら普通は割れるから！危ないからそこ避けなよねぇ！？｣

皿を落とすと割れるということを知らなかったり。

そして今日なんかは"買い物"という仕組みを知らずにお金を払わないで商品を持ってきて店番の人に怒られたり…

(ここまで来ると世間知らずすぎて怖いんだけど。一体どんな教育受けてきたんだか。)

1度、家族や生まれについてこいつに聞いたことがある。そしたら、

凛月｢…俺に家族なんて居ないから。孤児ってやつだよ。｣

って返されるし。

でも、生まれについて聞いた時、少しだけ苦しそうな表情をしていたのは…俺の気の所為だったんだろうか。

(そういえば…俺がこいつを拾った時、やけに上質な布で出来た服を着ていたような…？いや、考えすぎか。)

凛月｢…｣

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