5人の怪盗と生きる宝石第2幕 (ページ37)

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mission73 ページ37

youside

焦りを感じながらも私は羽風さんを見据えて口を開いた。

A｢あの！私はなんでも屋に依頼をした依頼人ってだけで決して怪しい関係では…｣

羽風｢じゃあどんな依頼？どこでなんでも屋の事を知ったの？あと、せなっちが君の事庇ってる時点でただの依頼人じゃないと思うんだよね。｣

A｢それは…｣

(どうしようか…流石に正直に答えるわけにはいかないし…)

世間一般的に見れば私とKnightsとの関係は犯罪者と拉致られた訳あり市民だ。

その事を少しでも匂わせたら瞬時にKnightsに迷惑がかかる。

まさに絶体絶命の状況だったのだが

朱桜｢お姉様！遅くなってしまい申し訳ありません！！少しトラブルが…って瀬名先輩!?な、なんでここに!?｣

…神様は私達のことを助けてくれたみたいだ。

司君が乱入してきた事でそれまで張りつめていた空気が少し緩まった。

瀬名｢かーさーくーん？俺、ちゃぁんとカロリー計算してあんたらの昼食の他にスイーツも用意してたってのに…その手に持ってるものは何かなぁ？まさか、あの糖分の塊じゃないだろうねぇ？そんなはず無いよねぇ？俺が心を込めて作った糖質offのスイーツを食べたはずなのにねぇ？｣

朱桜｢ひっ…｣

司君はテイクアウトしたスイーツを握り締めながら子鹿のように震えている。

司君に向けられた泉さんの視線は…正直言うと鬼面のようだった。

(でも、司君のおかげで羽風さんに向けられていた敵意が緩んだ…！ナイスタイミング司君！)

心の中で司君に拍手を送っていると、泉さんも羽風さんに反撃し始めた。

瀬名｢それとかおくん。契約上、依頼者が俺達なんでも屋に何を依頼したかは言えないって知ってるよねえ？あんただって表立って言えないような内容依頼する時もあるんだからさぁ、あんまり首突っ込まないでよ。｣

羽風｢んー、はぐらかされた気がしないでもないけどまぁ、いいや。俺、これからデートだしここは一旦退散しちゃおうかな〜｣

そう言って羽風さんは先程の獲物を前にした獣のような瞳を潜め、ニコニコとしたチャラ男の顔に戻った。

羽風｢じゃあ、俺は行くね。それと君とはまたどこかで会える気がするよ、"A"ちゃん♡｣

羽風さんは私にひとつ投げキッス(？)をして颯爽とその場を去っていった。

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