mission72 ページ36
youside
(どうしてここに泉さんが…)
ちらりと泉さんの顔を見るといつも通り少し不機嫌そうな顔でナンパ男を見つめている。
(というか…かおくん？って呼んでたよね？もしかして知り合い？)
？｢げっ、せなっち…｣
瀬名｢人の顔みて"げっ"って何？ちょ〜うざぁい。仮にも警察官ならちゃんと仕事しなよねぇ？｣
泉さんはそう言って私に目線を送る。
瀬名｢あいつは羽風薫。時々うちのなんでも屋に依頼してくる依頼人。一応この国で警察官やってるみたいだけど9割ナンパしかしてないからあんま関わらないで。わかった？｣
A｢は、はい。｣
(ご丁寧な説明ありがとうございます。)
羽風｢もう、酷いなぁ。それにしてもせなっちがその子の事をお姫様呼びするなんて…せなっちにも春が来たんだねぇ。｣
羽風さんに煽られた泉さんは一瞬で目の色が変わった。
瀬名｢殺す。｣
A｢やめてください。｣
そんなやり取りを羽風さんがゲラゲラと笑いながら見ている。
羽風｢はははっwやっぱり最高だね君達。｣
A｢笑ってないで泉さんを止めてくれませんか!?｣
泉さんは今にも隠し持っているナイフを突きつけそうな勢いだ。
羽風｢煽り耐性がゼロなせなっち面白いからもう少し見たいけどかわい子ちゃんが困ってるからねぇ。ここまでにしようか。…それで？その子とせなっちはどんな関係？そんな綺麗な白銀の髪の毛とオッドアイの子なんて俺見た事ないんだけど？｣
羽風さんは一瞬でおちゃらけた雰囲気をなくし、鋭い警察官としての瞳になった。
(蛇に睨まれた蛙のよう…羽風さんの前から動けない…)
先程羽風さんは自分の事を優秀と言っていたが…あながち間違いでは無いのかもしれない。
羽風｢俺って結構鼻が聞くんだけどさぁ、正直、今の君とせなっちからは怪しい匂いがぷんぷんするんだよね。俺面倒臭いの嫌いだから早く答えて欲しいなあ。｣
(どうしよう…)
警察官はこの国でも犯罪者を取り締まる組織の1つ。
国を守る騎士、国の治安を守る警備隊、皇帝陛下側近の戦闘小隊である紅月に同じくどの組織も共通して正義のために或る…即ち、犯罪者である怪盗Knightsの敵である。
そんな人物に目をつけられるということは…かなり厄介であり、泉さんもそれを理解している。
瀬名｢…｣
泉さんは無言で羽風さんの事を見ている。
(どうすんのよこれ…)
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作者名：リューゲ | 作成日時：2022年8月1日 20時
