5人の怪盗と生きる宝石 第1幕 【あんスタ】

mission14 ページ19

凛月side




正直に言うと、この展開は予測出来ていた。




凛月｢どーしたの王様。俺寝るつもりなんだけど。
あ、王様も眠いの〜？昨日戻ってきたの深夜だったし王様も少しぐらい寝ても罰はあたらな…｣


月永｢皇帝に何を吹き込まれたんだよ。リッツ。｣


(…やっぱり、誤魔化されてはくれない、か。まあ、そうだよねぇ。知ってた。)



誤魔化す隙も与えず、ただ直球に質問をぶつけてくる。


今目の前にいる王様はいつものの緩みきった顔をしておらず、目も獲物を狙う猛獣のように爛々と輝いていた。



凛月｢何の話〜？｣



月永｢言わなくてもリッツなら分かるだろ。Aのことだよ。｣


(はぁ、やっぱりバレてたか。)



脳裏にあの白銀の髪をもつ少女の顔が浮かぶ。


凛月｢あぁ、あの女がどうかしたの？もしかして王様、あの女に恋でもしちゃった？｣



月永｢…今は何も聞かないでおく。でもリッツが皇帝になにを吹き込まれてても、おれはリッツのこと信じてるぞ。それだけだ！｣



王様はそれだけ言って本当に部屋から出ていってしまった。



(信じてる…ねぇ。)




これは王様からの期待の意味なのだろうか。それとも余計な事をするなという牽制の意味なのだろうか。




(期待される苦しさも、期待されない苦しさも知ってるはずなんだけどなぁ。なんだろう、このなんとも言えない胸苦しさは。)




俺はゆっくりとドアを閉めたあと、勢いよくベッドに身を投げた。



あぁ、やっぱり。






















(やっぱりあの女は…Aは嫌いだ。)











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