第1話 白恋中 2 ページ3
＊
「ハッ、確かにな。オレ1人じゃない。オレと兄貴、それから千鳥の3人でやってる。ハナからお前らは人数に入ってねえから。」
「テメェ…ッ、キャプテンの弟だからっていい気になりやがって！」
目深はアツヤの胸ぐらを掴み上げるも、アツヤはまるで気にせず飄々とした笑みを口元に浮かべている。
一触即発の2人をなんとか静めようと、千鳥が声を上げようとしたときだった。千鳥の隣に座る士郎が彼女の肩をぽんと叩き、それを制止する。そして士郎は目深とアツヤの元へ歩いていくと、「まあまあ」と声をかけながらアツヤの肩に手を乗せた。
「キャプテン…っ、大体キャプテンがコイツを甘やかすから…！」
「まあそれはそうなんだけど…。目深くんは、今日のアツヤのプレーのどこが気に入らなかった？」
士郎は首筋に手を当てながら、あくまで冷静に目深に尋ねる。しかし、そんな士郎の問いかけに目深は「はぁ！？」と声を荒げた。
「どう見たって、あれはまともなプレーじゃなかった！周りにいくらでもパスのチャンスはあったのに、全部無視して1人で突っ込んでいった。そして結局ボールを取られた！それを10回も繰り返しやがった！コイツは！」
目深はアツヤを指差してそう声を荒げる。指を差されたアツヤはふう、と呆れたように小さく溜息をついた。
「それは…っ、ごほっごほっ」
千鳥が慌てて声を上げようとする。それと同時に咳き込んでしまった。それを見て、士郎は自分が説明するから、とでも言うように彼女の前に歩み出た。
「でも、試合には勝てたわけだし、いいんじゃない？」
「よくないですよ！コイツはオレたちチームをないがしろにしてるんですよ、千鳥がいないとまともにチームプレイなんてできやしない！」
「今回も、千鳥の指示だよ」
「えっ…」
士郎の言葉に目深は言葉を失う。千鳥は部員たちの視線が集まるのを感じて、バツが悪そうに視線を泳がせた。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いわき | 作成日時：2019年10月18日 0時
