【黒バス】いろんな曲で短編集がしたい【短編】

ロスタイムメモリー :黄瀬 ページ11

のえる様より、リクエストいただきました。

夢主の死ネタが含まれますので、苦手な方は注意です。
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夏になると、君を思い出した。

あの謎めいた、君の目や、仕草、匂いを。


あの出会いを、結末を。


　 **


中学生の頃から得意でなかった勉強は、高校に入るとさらに分からなくなるという。


俺はまさにそれに当てはまり、
夏休みは、部活後に補講を受けなければならなかった。



暑いし、勉強はわからないし、やる気がでない。

そんな時、同じく補講を受ける生徒がいた。


確か、クラスメイトに「Aちゃん」と呼ばれていた。

女の子が課題に頭を悩ませていて、楽しくないし話してみよう、と思った。



「君、陸上部ッスか？
　補講めんどくさいねぇ」


『…バスケ部はもっと大変でしょ？
　補講はしょうがないよ、馬鹿なんだから』



陸上部らしい、焼けた肌をしていた。

その見た目に合わず、どこか影のある話し方と表情だ。


しかし彼女も同様に勉強が苦手らしく、
課題に取り組まずに会話がはずんだ。



ときに分からないところは二人で考えたり。

お互いの部活について説明したり。


正直、Aといるのは、気が楽だった。

他の女子とは、俺を見る目が違っていたから。


だからきっと、俺は、彼女に寄りかかっていた部分があったのだと思う。



反面、その謎めいた影が不審で、
でも何故か口には出せずに、いつも探ろうと試みていた。



そんな日々が、二週間ほど、過ぎた頃。



俺も予想なんてしていなかった、“事件”は起こった。


　 *つづく*

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