【忍たま×リボーン】うちの義兄は人間じゃない〜ヴァリアー編パート２〜【妖怪パロ】

１８５標的　突風にご注意の段 ページ35

学校に向かうため、人気のない道を歩いていると学校がある方向が光ったように感じた。
しかしそれは一瞬の出来事で、よく見ようと目をこらした時には先ほど見た光はもう見えなくなってしまった。


「長次、今の光は」

「……ザンザスが到着したようだ」

「えっ、い、急がないと」

「A急ぐのか! なら任せろッ!!」


そう言うと小平太兄さんは私の制止も聞かずに、自身を風に変化させ私を抱え猛スピードで学校への道のりを駆け出した。
あまりの出来事に悲鳴を出すことも出来ない私は、ただただ身を任すことしか出来なかった。


「……皆、あの馬鹿より速く学校に着くぞ」

「おぉ!」

「ハイ!!」


――――――――――――――――――


「これで残るのは雲・雷そして、月ですね」

「え、残りって……うわっ凄い風!?」

「……どうやら、月の守護者が来たようですね」

「へ? あ、A!? いつの間に……ていうか、なんか疲れてない?」

「だ、大丈夫」


沢田君の優しい気づかいに感謝しながら笑みを浮かべる。
今の私の顔、絶対に青白いよね。


思わず吐き気をもよおし口元に手をやり口を覆う。
この戦いが終わったら絶対小平太兄さんを説教してやる!!


"このバカタレ! 一人で勝手に突っ走りやがって!!"

"潮江先輩の言う通りですよ! 七松先輩! A大丈夫か?"

"ナハハハ! すまんすまん。だが、結果的には早く着いただろう!"


全く悪びれもしない小平太兄さんに他の兄さん達はおのおの怒りのオーラを纏い始めた。
滝夜叉丸兄さんが背をさすってくれたおかげで幾分か楽になった私は、滝夜叉丸兄さんにお礼を言ってから姿勢を正す。


私の頭上で小平太兄さんに精神的処罰を下している伊作兄さん達はそのままにしておく事にしよう。
どうせ他の人には見えてないしね。


「残りは雲と雷ですね」


チェルベッロ機関がいつもの抑揚のない口調でそういうと、後ろのほうで靴が砂を蹴る音が耳に飛び込んできた。
その音に導かれるように振り向くと、そこには不機嫌そうな雲雀さんの姿があった。


「用件は何?」

「雲雀さん!!」

「用件といえば極限に俺たちと一緒だな」

「守護者は必ず来るようにチェルベッロから……」

「そうなんだ。あ、クロームちゃん。さっきの突風で怪我とかしてない?」

「え? ……大丈夫」

「そっか。良かった」


そう言うと、彼女は何とも言えない表情を浮かべそっぽを向いてしまった。
ありゃ、怖がらせちゃったかな?

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