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僕の恋人/まふまふ ページ15

恋人ができた。


Aという名前でたまたま駅で落し物を拾ってくれたのが彼女だった。

透き通るように白い肌とそれに対称するように黒くて艶のある髪をもつ美しい彼女に僕は一目で恋に落ちた。


それからというもの神様のいたずらとでもいうようにAと偶然会うことが重なった。

最初はお互い名前も知らずにただ会釈をするだけの関係だったが徐々に距離を縮めそして数日前に彼女から告白された。

返事は勿論即答でオッケーを出した。幸せだ、Aが僕のことを好きになってくれるなんて。


けれど最近不審に思うことがあるのだ。最近Aが他の男といるのをよく目にするのだ。


これだけ考えると『浮気』の二文字が浮かぶかもしれないが、Aがそんなことをするなんてありえない。Aは本当に僕のことが好きなんだ。この耳で確かに聞いたんだ。


でも前よりもさらにその頻度が上がっている気がして彼女に限ってそんなことをするはずがないって思いながらもやっぱり不安でこっそり彼女の住むマンションに足を運んだ。


彼女の部屋に辿り着いてインターホンを鳴らそうと手を伸ばすが、それはピタ、と寸止めで終わった。Aの声が聞こえたからだ。いや、正確に言えば声というよりすすり泣くような、泣き声だった。


内容まではよく聞こえなかったがAの他にもう一人誰かの声が聞こえる。


まさか、と思い部屋の中の声に耳を澄ますとどうやら男の声だった。


男の声と、愛おしい恋人の泣き声。


…そうか、分かった。


きっと脅されてるんだ、Aは。一体何を脅されてるのかは分からないが、そんなのは関係ない。Aは、自分の部屋に入り込まれてどうすることも出来ずにいるんだ。


何でそれを僕に言ってくれなかったんだろうと不思議に思うがAのことだ、きっと僕に心配をかけるわけにはいかないとか思っていたのだろう。僕としては頼ってくれた方が嬉しいんだけど。


…ってそんなことを考えてる場合じゃない。今はAを助けることだけ考えなきゃ。


幸いAの合鍵は持っている。僕はガチャ、とドアに鍵を差し込んでドアノブを捻った。

ドアは簡単に開いた。さぁ、僕の愛しいAを泣かせたあの忌まわしい男にどんな罰をくれてやろうか。



大丈夫、泣かないで、A。僕は君の彼氏だから。僕が君を助けるから。


「お待たせ、A」

◆→←この心、立ち入り禁止/そらる



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可愛い後輩ちゃん - なるちゃんの口調そっくりすぎるwwwww🍥🍥 (2022年3月27日 13時) (レス) id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
りゅー - まふまふさんの監禁系お願いします! (2022年2月13日 11時) (レス) @page25 id: 67f46d50a0 (このIDを非表示/違反報告)
月花月 - リクエストです、坂田さんの閉じ込める系お願いします (2020年7月6日 21時) (レス) id: fc0fb56c2a (このIDを非表示/違反報告)
蒼空@リス(プロフ) - いきなりですがリクエスト失礼します、志麻さんで服従系ヤンデレをお願いします!! (2019年7月28日 6時) (レス) id: 9910aa95ba (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - きゃらめるさん» 承りました!!元々、まふまふさん視点は考えてはいたのですが、都合上、本編に載せることが出来なかったので、載せる機会を与えてくださりありがとうございます…!!のろのろ更新ですが、精一杯頑張りますので、宜しければまた見て下さると嬉しいです〜!! (2019年2月14日 0時) (レス) id: 54c8766224 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2018年9月29日 23時

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