Tanaka Ryuunosuke ページ6
*
「スッ…スガさん、そのチョコってもしや…！？？！」
「影山もまさかモ、モテ、モッッ……！？」
部室の掃除をしていると、菅原さんと影山が部室へと入ってきた。
2人の腕に抱えられたチョコレートを見て龍と西谷が叫ぶ。
…龍も西谷も、とりあえず落ち着こう？
…察したと思うが、今日はバレンタインデーである。
「西谷とかは貰ってるんじゃない？その…ほら、男らしいし」
「いや、意外にもコイツ義理すら貰えてませんでしたよ」
部室に入りながらそう言った旭さんに縁下が答えた。
龍も西谷もチョコレートを1つも貰えなかったらしく、部室の端で屍と化している。
…龍は女子からチョコが貰えるなら誰でも良いのかな。
バッグに詰めた17個のチョコを思い返しながらそう思う。
「…なあA、チョコあるなら田中に最初に渡せよ？」
「今日朝からうるさかったからな。Aからチョコ貰えないかもーとか言って」
『え、そうなの？』
木下と成田から小声でそう伝えられた。
…そっか。
「！？A、それはまさか…っ！？！」
『…チョコ、です』
屍のようになった彼へ丁寧にラッピングしたチョコレートを渡す。
貰えないかも、なんて…心配しなくてもいいのに。
『後輩を引っ張ってるの、かっこいいと思う。…好きだよ』
「……………………えっ」
「田中さん！？！！鼻血…っ救急車？！？」
「翔陽落ち着け！！誰かティッシュ！！！！！！」
えっ、と発して鼻血を流し始めた龍。
「お、おおおっれも、好きデスッッ」
カタコトで返されたけど…その言葉を聞いて若干顔が赤くなるのを感じる。
好きだと言われたのはいつぶりだろうか。
…緊張して言えなかったのか寿司です、って言われたことなら沢山あるけど。
「A、俺たちの分は…？」
『…勿論あります』
西谷にそう言われ、鞄の中から16個のチョコを出す。
龍にあげたものよりは小さいししょぼいかもしれないけど、いつも世話になっている部活の仲間に少しでも感謝が伝わればいいな、と思う。
大喜びしてくれた1年、2年のみんなと東峰さん、菅原さん。
…今この場にいない澤村さんや潔子さんや仁花ちゃん、監督方には後で渡そう。
『…！』
ふと視界に入った龍。
口元を緩ませながらもさっき渡したチョコレートを眺めている彼。
そんな様子を見て、私も自然と口元が緩む。
…喜んでもらえて、良かった。
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時雨。(プロフ) - 黒瀬さん» コメントありがとうございます〜〜！！喜んでもらえて何よりです！！！ (2022年12月25日 13時) (
レス) id: 1cbaa373ce (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - クロくんありがとうございます🥰尊いわー (2022年12月22日 21時) (レス) @page14 id: d01723e5ca (このIDを非表示/違反報告)
時雨。(プロフ) - セチソラ@欲さん» ありがとうございます！！コメントとても励みになります…！ (2022年10月2日 8時) (レス) id: 1a0f1ee2a2 (このIDを非表示/違反報告)
セチソラ@欲 - 素敵な作品ですね！更新頑張って下さい！ (2022年10月1日 23時) (レス) @page7 id: 5817bb68d6 (このIDを非表示/違反報告)
時雨。(プロフ) - サラミさん» ありがとうございます！！これからも更新頑張ります〜！！ (2022年9月21日 0時) (レス) id: 1a0f1ee2a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時雨。 | 作成日時：2022年9月11日 11時
