Nishinoya Yuu ページ5
*
「今日はブロックフォローがダメだったな…」
『反応自体は出来てるように見えたけど…?』
「どこに落ちるか分かってたのに体が動かなかったんだ。本番でこれじゃあ意味ねぇだろ」
もっと練習しねえと、と呟いた夕。
今日の大地さんの守備がどうとか、山口のジャンフロの進展とか。
先程終えた部活動の振り返りを2人でしながら夜道を歩く。
ブロックフォローが出来なかった彼は、あの時の位置どりが悪かったなと反省している。
常に前を向き続ける夕を見ると、もっと私も力にならなきゃいけないなと言う気持ちになるのは当然のことで。
さりげなく車道側を歩いてくれる彼をじっと見つめる。
春高予選開始は2週間後だ。
_______「…がんばれ」
普段はシャイながらもIH予選前に激励をした潔子さんをふと思い出す。
…潔子さんみたいに、激励をするときだけでも素直になれたら。
夕や選手たちのモチベーションになるだろうか。
絶対に春高に連れて行く、と約束してくれた夕。
もし、私の激励で少しでも気合いが入るのなら…
素直になってみるのも、悪くないかもしれない。
『夕』
「ん?」
『……すき、だよ』
「…ん、??!?」
『やめてそんなに照れないで恥ずかしい』
え、ぁ、だって、だってAが、と途切れ途切れに話す彼。
普段男前な夕がパニックになっている姿を見れたのが嬉しくて、もう少しだけ素直に気持ちを伝えようと決めた。
『常に努力し続ける夕は本当にかっこいいと思う』
「へあっっ…!?!!」
急に奇声を発して地面に崩れ落ちた夕。
両手で顔を覆っている。
…耳まで赤いから、顔が赤くなっているのはバレバレ。
先程言った言葉を思い返すと恥ずかしくなってきた。
じわじわと顔が赤くなっていくのを自分でも感じる。
「…俺も好きだ!!絶対!!Aよりも!!!!すげえ自信ついた、ありがとな!!」
絶対春高連れて行く!!と言って笑った彼。
…去年も言われたその言葉を聞いて、少しばかり懐かしい気分になった。
『この激励、大地さんたちにもしたらモチベーションになるかな』
「…なるだろう、けど。……しないで欲しいって言ったら怒るか?」
『え、なんで?』
…Aは俺の彼女だろ、と少し拗ねたように言った彼。
そんな彼が本当に愛おしくて、嫉妬してくれたのが嬉しくて。
再び赤くなった顔を見られないように、下を向いた。
.
Tanaka Ryuunosuke→←Yamaguti Tadashi
147人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時雨。(プロフ) - 黒瀬さん» コメントありがとうございます〜〜!!喜んでもらえて何よりです!!! (2022年12月25日 13時) (レス) id: 1cbaa373ce (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - クロくんありがとうございます🥰尊いわー (2022年12月22日 21時) (レス) @page14 id: d01723e5ca (このIDを非表示/違反報告)
時雨。(プロフ) - セチソラ@欲さん» ありがとうございます!!コメントとても励みになります…! (2022年10月2日 8時) (レス) id: 1a0f1ee2a2 (このIDを非表示/違反報告)
セチソラ@欲 - 素敵な作品ですね!更新頑張って下さい! (2022年10月1日 23時) (レス) @page7 id: 5817bb68d6 (このIDを非表示/違反報告)
時雨。(プロフ) - サラミさん» ありがとうございます!!これからも更新頑張ります〜!! (2022年9月21日 0時) (レス) id: 1a0f1ee2a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:時雨。 | 作成日時:2022年9月11日 11時