せっちー先輩のご指名 ページ2
昼休み、みなが昼食を食べ終えた頃の時間。
「ちょっと。暇でしょ、来て」
ふわふわの銀髪を持った1億の顔に呼ばれたのは数分前の事だった。
渡り廊下を歩けば中庭の木陰に凛月くんと真緒くんの姿を見掛ける。
声を掛けようとしたら隣に居る銀髪の先輩に止められた。
なので遠巻きに眺める。
今日も仲良いなぁ、あの2人。
ここ最近は陽射しも強くない為、中庭で凛月くんがお昼寝しているんだろう。
そして世話焼きの真緒くんは本日は昼に生徒会の用事もないようで、凛月くんの面倒を見ているようだった。
「くまくんは年中世話されてるし…。まあどーにかなってるからいいんだけどぉ。」
隣でせっちー先輩が心配なのか皮肉なのかよくわからない小言を呟く。
「そうですねぇ。あの2人は要介護と世話焼きで成り立ってるかと…。」
「ふぅん。ま、いいんだけどぉ」
3年校舎に向かう途中、職員室前の壁に夏目くん作の仕掛けを見つけた。
「アイツ、こんな所にも…!」
「うわぁ!ここにもあったんですね〜!!」
これは何処かへ通じる扉だろうか、好奇心が渦めく中仕掛けの取っ手に手を伸ばす。
「いたっ」
せっちー先輩にいきなり頭を小突かれた。
「ちょっとぉ、何触ろうとしてんの!?早く行くよぉ」
あ、そっぽ向いた。
と言う事は、さっきのはせっちー先輩なりの心配だろうか。
「何ニヤニヤしてんのぉ?チョ〜ウザぁい!
アイツにしっかり言いつけておいてよねぇ!」
「へへへ、はぁい」
未だに見つけられていない仕掛けはまだまだ校内にあるようで、見つける度にせっちー先輩やけいちゃん先輩が目くじらを立てている。
結局3年校舎に向かっているが、一体誰に用があるのだろうか。
聞きそびれていたが、まあいいか。
ああ、今日も平和な夢ノ先だ。
廊下を吹き抜ける風は未だに花粉を運んでいるようで、隣でせっちー先輩が大きなくしゃみをした。
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作者名:時雨 | 作成日時:2017年3月21日 23時