第3話:金曜の特別 ページ4
千秋side
金曜日、放課後の練習。
不意に時計を見れば5時半を過ぎていた。
おっと…つい熱中してしまったな。
「悪いが先に上がらせてもらう」
まだ練習を続けるメンバーには悪いが時間だからな。
「あれ、隊長今日も早いっスね」
俺の言葉に南雲が練習の手を止めた。
本当は同じユニットのメンバーとしてもっと練習をしたいのだかな。
メンバー同士の仲が良いことに損はないのだから。
「毎週金曜は5時で帰ってしまわれるでござる」
ちょこちょこと仙石が近寄ってくる。
「普段はなるべく練習を優先しているのだがな…金曜だけは特別だ」
と言っても俺個人の事情だから罪悪感はある。
それをよく知っているからか、奏汰がにこにこしながら俺を見る。
「きんようは『ちあき』が『かのじょ』にあうひなんですよ〜♪
だからきんようは『ちあき』にとって『とくべつ』なんです」
「隊長って彼女いたんスね」
待て待て待て。
奏汰が妙な言い回しをするから高峯が勘違いしているぞ…
いや、勘違いしたのは高峯だけではないか…
「奏汰、何度も言っているはずだかあいつは彼女ではなくて幼馴染みだ」
「そうでしたね。でも『りんか』は『ちあき』の『とくべつ』です♪」
「はっはっはっ！俺の話を聞いていないな？」
とりあえず奏汰はいつも通りだ。
だから奏汰は置いておくとして…
「どうしたお前たち？」
気づけば南雲が目を輝かせながら。
仙石がそわそわと落ち着かない様子で。
高峯がそんな二人を宥めながら。
あっという間に帰り支度を整え俺を見ている。
「そりゃあ隊長の彼女が気になるんスよ！」
「いや彼女では…」
「せ、拙者もお供させていただきたいでござる！」
「ち、ちょっと待て…」
「みんな帰るなら俺一人残っても仕方ないんで」
「お、お前たち…」
「ではいきましょう『ちあき』♪」
…………
「清々しいくらいに俺の話を聞いていないな☆」
仕方ない…Aには後で謝っておこう。
……いや、いい機会かもしれんな。
いつかは紹介しようとは思っていた。
Aにライブを見せるのならば仲間は紹介しなければだからな。
「よし、ならば行こうか！」
「どこで待ち合わせなんスか？」
「病院だ☆」
予想はしていたが南雲たちが病院という単語に動揺する。
「きっとお前たちを歓迎してくれるぞ！」
なんといってもAはそういう奴だ。
心優しい幼馴染み…なのだからな。
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ゆず - はじめまして！初めてコメントします。凄く素敵な話でした！！泣きました！更新頑張ってください、待ってます！ (2018年4月8日 16時) (
レス) id: 874af4f1e7 (このIDを非表示/違反報告)
黒月 恋 - いいお話です… 更新頑張ってください！ (2016年7月20日 22時) (レス) id: b9aef4f050 (このIDを非表示/違反報告)
燐火(プロフ) - ピノさん» ありがとうございます！流星隊本当に可愛くて仕方ないです！あの可愛さを出来る限り表現しようと思ってます(´△｀)楽しみにしていただいて本当感謝です！ (2015年9月19日 20時) (レス) id: bc8efcb7ec (このIDを非表示/違反報告)
ピノ - だめだニンニン可愛いすぎる。 流星隊大好きなのでこのような小説があって嬉しいです。更新頑張って下さい!!!! (2015年9月19日 20時) (レス) id: e3d4af0da7 (このIDを非表示/違反報告)
燐火(プロフ) - ぼた餅さん» わわわ！ありがとうございます！なんと勿体無いお言葉っ!!亀更新申し訳ない限りですが頑張らせていただきます(´△｀) (2015年9月13日 21時) (レス) id: bc8efcb7ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燐火 | 作成日時：2015年8月20日 17時
