14話 ページ16
Aside
『そういえば、陽介はどのポジションなの?』
「あー、そういえば言ってなかったな。俺は攻撃手だよ。」
『攻撃手ってことは弧月かー。』
「最近はスコーピオンていう攻撃手用のトリガーを迅さんって人が開発したらしいけどなー。俺はトリオン少ねえし、耐久度低いスコーピオンはあんまし向いてねーかな。」
迅さん、そんなの開発してたんだと心の中で感心していた。
確かに攻撃手の武器は他のポジションと違って、1種類しか無かったから今後新しく入ってくる攻撃手からすれば、選択の幅が広がる良い開発かもしれない。
『陽介が剣振り回してるとことかあんまし想像つかないかも。』
「俺、トリオンは少ねえけど運動は結構できる方だから割とランク戦は勝ち抜いてる方なんだぜー。つっても、太刀川さんみたいに施空弧月はバンバンうてねーし、リーチ短いからどうしたもんかな。」
『タチカワさん?』
聞いたことあるような、無いような....
狙撃手は他のポジションと違ってランク戦でB級に上がるわけではないので、他のポジションについては疎くなりがちだった。
すると出水が私に対して、知らねーのかよと言いながら説明してくれた。
「攻撃手、ソロ総合共に1位のバケモンだよ。
この前ブースで見かけたけど、相手は訳分からず退場。今、張り合えるのは迅さんだけってウワサになってる。」
『へえ...迅さんもやっぱり強いんだ。私達からしたら雲の上の存在だね。』
「だな。」
そんなに凄い人なら廊下ですれ違うくらいで関わることはないだろうと思っていた。
しかし、世の中にはフラグというものが存在するらしい。もしかしたら、私はフラグ建築士なのだろうか
陽介がランク戦のブースに行った後、「おっ、いたいた」と言いながら黒のロングコートを身に纏った男性がやってきた。
若干厨二感を漂わせる服装だったが本人は至って普通だし、見るからに強そうな人ではあった。
隣の出水は信じられないと言いたげな表情で男性を見ていた。
すると男性は眠たそうな目をカッと開け、私と出水の肩を掴む。
「お前、トリオン量すげーやつだろ!隣にいるのは彼女だな!すげー話題なってたぞ!」
『「彼女(彼氏)じゃないです」』
「息もピッタリだな!」
男性は大笑いながら、私達を見ていた
なんだ、この人...。という風に顔に出ていたらしい。
「あー、わりぃ。予想以上に面白くてな。俺は太刀川だ。よろしくな。」
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作者名:いーす | 作成日時:2019年4月30日 17時