出発の日 ページ22
やっぱり、簡単には行かへんな…
ギ「なんで…?折角、目が治るかもしれんのに…」
あ「だって、また皆に心配かけちゃうし…」
ギ「他の皆やって、Aの目が治るのを望んでんのやし…それに、このまま見えんままやったら、それこそ心配かけんのと違う?」
あ「…それは…」
ギンのもっともな言葉にAは返事に詰まる。困っているAに、ギンは優しく喋りかけた
ギ「現世に行き、A。向こうでちゃんと治すもん治して、また元気な姿でここに戻ってき。」
あ「…待っててくれる?一年間…」
Aのそばまで行き、少し俯いているその頭にぽんっと手を置く
ギ「当たり前や。ボクはずっとここにおる、どこにも行かへんよ。」
心なしか、Aが笑った気がした
あ「……分かった…行くよ、私。」
ギンも満足気に微笑んだ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
四日後…
一「おーい、Aー。出来たかー?」
Aは自室で、乱菊に手伝ってもらいながら現世に行く準備をしていた
あ「あ、ごめん一護!もうちょっと…」
乱「せっかちねぇ〜。女は準備に色々かかるのよ!」
一「へーいへい。」
一護は呆れたように戻って行く
あ「ごめんね乱菊、手伝ってもらっちゃって。」
乱「いいのよ!あんたの目が治るなら、なんだってするんだから……あぁほら、無理に畳もうとするからぐちゃぐちゃじゃない!貸しなさい。」
と言って、乱菊はAの手元の服をひょいっと取り上げる
あ「あ、ありがと(苦笑」
乱「よし、こんな感じね。大体荷物整ったんじゃない?ちょっとあいつ呼んで来るわ!」
乱菊は一護を呼びに出て行った
あ「今日から一年……かぁ。」
改めて考えてみると、やっぱり長いよなあ……
あ「一年もここを離れるのか…」
皆に会えなくなる…イヅルにも、
ギンにも…
ギ「…寂しい?」
声に驚いて振り向くと、入り口辺りにギンの霊圧を感じた
あ「え?…ギン!?いつからそこに…」
ギ「んー…黒崎さんが呼びに来た辺りから?」
最初からかい!!!
ギンは部屋に入り、綺麗にまとめられた荷物に目をやる
ギ「…もう、行くんか。」
あ「うん……」
現世に行けって言うたんはボクの方やのに……やっぱりAと離れるんは……
Aはギンが真剣な様子で黙り込んでいるのを感じ、さっき驚かされた仕返しと言わんばかりにニッと笑い、おもむろに口を開いた
あ「私がいなくて寂しい?」
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純 - 一言しか言えねぇ……しんどかったです (2018年9月12日 16時) (レス) id: cfb4ebe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 感動しました!!ギン素敵です。この作品大好きです(*´˘`*) (2017年9月13日 22時) (レス) id: f1cdc6bf1b (このIDを非表示/違反報告)
あかねっち - めっちゃくちゃ感動しました!(;_;)ギンかっこよすぎます!!また作者様の書くギンの小説読みたいです!!!! (2017年2月14日 1時) (レス) id: 7d3b3da003 (このIDを非表示/違反報告)
K&T(プロフ) - めっちゃ感動しました!号泣しました! (2017年2月4日 18時) (レス) id: 8b3fcbbfb9 (このIDを非表示/違反報告)
花音 - めっちゃ号泣しました(泣) (2016年8月15日 20時) (レス) id: 4e104a5374 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わっふる | 作成日時:2014年6月11日 13時