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結果の話 ページ24

第4Qは第1Qと同じように点の取り合いとなった。
互いが互いに点を奪っては取り戻し、奪われればその分を相手から奪い返す。
そんな緊迫した状況の中、最後にゴールを決めたの火神だった。
この練習試合、強豪である海常が僅かな点差で敗北した。
ビデオを片付けてる時、誠凛の制服を着ていた彼女は何かしらの小言を言われていた。
それを気にせず、彼女はカメラを直し終えるとリュックにそれを入れて平然と海常の体育館から出て行った。
海常から出て行く誠凛と合流して、彼女はそれに着いて行った。


「ビデオ、撮ったぞ」


「ありがと。それにしても、どうやってここまで来たの?」


「バスを使った。特に困りはしなかった」


乗ったとしても健康状態の人が優先席を譲ってくれる。
そういう絵図が容易く頭に浮かんだリコ。


「あんたも相当腹黒ね…」


「私は何もしておらぬよ。よいと言えどもどうしてもと言うのでな……ふふ」


確信犯、それが今の彼女に合う言葉だった。
麗白はリコには隠さず己の内を曝け出す。
リコは知ったところで、それを咎めたりはしなかった。


「帰り、どっかで食ってこーぜ」


「出来るなら安いところー。俺金ない」


「俺も」


「僕も」


「……ちょい待ち。交通費抜いて、今所持金いくら?」


リコが全員のお金を徴収すると21円。
駄菓子でも2個しか変えない。


「ちなみに皆、何が食いたいんじゃ?」


「えー、肉?」


「回転寿司!」


「……ファミレスでいいです」


「肉」


「皆ばらばらじゃのう。しばし待たれよ……」


彼女が何処かへ連絡を取ろうとした矢先のことである。
電話掛けていた彼女の手を止めてリコはホイッスルを鳴らす。


「いいや、大丈夫よ!むしろガッツリいこう、肉!!」


というわけで連れてこられたのはステーキ店。
他に類を見ない分厚さの牛肉ステーキが乗っかっており、それがバスケ部全員に配られた。
ちなみに残せば一万円を払わなければならない。


「はっはっは。リコは粋なことをするのう」


「たーんとお食べ♡」


悪魔のように囁く女性陣。
しかし、リコの前にステーキはない。
代わりに彼女の前にステーキが置かれていた。


「私も今朝は朝ごはん抜きでな。ちょうど良かった」


あんな華奢な身体に分厚いステーキが入るのかと、バスケ部一同は唖然としていた。
ステーキは大きく切り分けられると、彼女はその姿に見合わず大きな口を開けて口の中へ頬張るのであった。

ステーキの話→←腹黒い話



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作者名:ほんばし | 作成日時:2022年5月6日 16時

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