皇帝勧誘 2 ページ8
次の日。
……俺は、皇帝──天祥院英智に、生徒会室へ、呼び出された。
彼の策略によって、生徒会長である朔間先輩は、殆ど海外に行ったままだ。
その代わりに…といったように、天祥院英智は生徒会長代理の立場に収まっている。
まあ、何も知らない一般生徒においては、悪の象徴である“五奇人”をこの学院のトップに置くより、正義の象徴である“fine”がいたほうが、ありがたいのだろう。
……正義の味方である流星隊の一員としては、血反吐が出るのだけど。
生徒会室の前まで来たので、扉をノックする。
……入っていいよ、と。えらく楽しそうな声が聞こえてきた。
「……失礼します」
「うん、いらっしゃい。理詩央くん」
そう笑顔で。俺をここへ呼び出した悪魔は、答えたのだった。
さあ、思慮と思惑が混ざり合った会話の、始まりだ。
「……天祥院英智先輩。何の用でしょうか」
「そう畏まらないで、気軽に英智先輩と呼んでほしいな」
「……天祥院先輩」
「おやおや」
うるさいな下の名前でなんて元々誰とも呼んでないんだよっ!!
……危ない。主導権をあちらに持ってかれないようにしないと。
彼の横には、蓮巳先輩が無表情で佇んでいる。
……まるで、玉座を守る護衛の様だ。
俺は生徒会長に勧められるまま、彼と向かい合うように椅子へ座った。
「……で、用件は何でしょう?」
「ふふ…君はせっかちなのかな。まあ僕も忙しい身だしね、早めに済ませたいというのは同意見だ。
──率直に告げよう。理詩央くん、fineへの移籍をしてほしい」
「お断りします。帰っていいですか」
バッサリと切った俺に、流石の彼も、ポーカーフェイスが少し崩れた。珍しい。
……俺は流星ホワイトだけど、fineの白に染まる気はカケラもないんだよ。
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詅(プロフ) - 一期雨楽♪さん» こんにちは。泣きそうになるくらい嬉しいお言葉でした。私の書く話で誰か一人でもあんスタ!の世界を好きになってくれるのなら、それ以上のことはありません。今は更新ができていない状態ですが、必ず続きを載せますのでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月23日 18時) (レス) id: a7c8dc252c (このIDを非表示/違反報告)
一期雨楽♪ - わたしは・・・・この小説を見て、あんスタを知り、どんどん調べていって流星隊推しになりました。見つけれてよかったとおもいます。ありがとうございます!! (2019年7月16日 20時) (レス) id: a5d56a5b82 (このIDを非表示/違反報告)
詅(プロフ) - カグサさん» ありがとうこざいます!理くんすごいですよねー…。作者の私でもたまにハイスペックだなあと思ってしまうこともありますし。応援ありがとうこざいます。これからも頑張らせていただきます! (2017年12月27日 21時) (レス) id: 1f05f5b54d (このIDを非表示/違反報告)
カグサ(プロフ) - 夢主くんの性格に惚れました!!更新楽しみにしてます!微力ながら応援させていただきます♪ (2017年12月27日 20時) (レス) id: 754d74c58c (このIDを非表示/違反報告)
詅(プロフ) - 暁さん» ありがとうございます!楽しんでいただける方がいると、こちらもやりがいが出るので嬉しいです。 (2017年12月27日 2時) (レス) id: 1f05f5b54d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:詅 | 作成日時:2017年12月17日 20時