ヒーローと出会った 1 ページ13
「理、ちょっといいか?」
二人しかいない流星隊のレッスンルーム。
授業が終わって向かったところ、真剣な表情で守沢先輩に呼ばれる。
「はい、何でしょう?」
「い、いやあの……」
真面目な表情が一転。言いにくそうに、尻すぼみになってブツブツと呟き始めた先輩。
それから深呼吸を一つして、目を合わせながら一言告げた。
「fineに、移籍を申し込まれた…って、本当か?」
ああ、そのことか。
逆先くん以外には特に伝えてないとはいえ……まあ、噂は勝手に出てくるものだしな。
「あーはい。誘われましたよ。断りましたけど」
「そう、か。……なあ、理」
……断ったということに、安心した素振りを見せるわけでもなく。
…なにやら覚悟を固めた目で、問いかけた。
「……何故、お前はそこまで流星隊に費やすんだ?」
それは…まあ、不思議だろうなあ。
いきなり現れた新入生が、何もしてないのに、流星隊のために色々としているのだから。
もしかしたら、己の人生を棒に振るっているようにも見えてるのかもしれない。
「……それはですね、先輩。俺は、流星隊に──救われたんですよ。」
静かに、一言だけ、告げる。
これから話すのは、君の知らない未来の話だけど……。
けど、俺は知っているから。
「救われた……?」
「はい。俺はもともと……ヒーローが大好きな、ただの子供だったんです」
……知りたいのなら語ろうか。
これは、前の俺の話だけれど。
俺が彼女と出会う前。──“悪”だった俺を、君が、君達が“正義”にしてくれた話だ。
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詅(プロフ) - 一期雨楽♪さん» こんにちは。泣きそうになるくらい嬉しいお言葉でした。私の書く話で誰か一人でもあんスタ!の世界を好きになってくれるのなら、それ以上のことはありません。今は更新ができていない状態ですが、必ず続きを載せますのでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月23日 18時) (レス) id: a7c8dc252c (このIDを非表示/違反報告)
一期雨楽♪ - わたしは・・・・この小説を見て、あんスタを知り、どんどん調べていって流星隊推しになりました。見つけれてよかったとおもいます。ありがとうございます!! (2019年7月16日 20時) (レス) id: a5d56a5b82 (このIDを非表示/違反報告)
詅(プロフ) - カグサさん» ありがとうこざいます!理くんすごいですよねー…。作者の私でもたまにハイスペックだなあと思ってしまうこともありますし。応援ありがとうこざいます。これからも頑張らせていただきます! (2017年12月27日 21時) (レス) id: 1f05f5b54d (このIDを非表示/違反報告)
カグサ(プロフ) - 夢主くんの性格に惚れました!!更新楽しみにしてます!微力ながら応援させていただきます♪ (2017年12月27日 20時) (レス) id: 754d74c58c (このIDを非表示/違反報告)
詅(プロフ) - 暁さん» ありがとうございます!楽しんでいただける方がいると、こちらもやりがいが出るので嬉しいです。 (2017年12月27日 2時) (レス) id: 1f05f5b54d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:詅 | 作成日時:2017年12月17日 20時