ユンギがＢＴＳになるまで。

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俺が妹に手を出したのは高2の夏だった。何も知らないのに、知った風な口を聞いて、兄さんなら大丈夫って当たり前みたいな顔をしていうものだから、ムカついた。ムカつきすぎて一瞬殺してやろうとさえ思った。

手首から流れる血を見て、妹はいつもそんなことしないでと言う。その日も、カッターを持ち出した俺を妹は必死に止めて、逆に刃を突き付けてやると、妹はそれでも兄さんなら大丈夫って言った。いつも真っ直ぐ、同じ方向を見つめる妹の目が俺は嫌いだった。

その綺麗な目を穢してやろうと思ったのが高2の夏だった。

それでも妹は、

「私が兄さんの音楽を世界に認めさせる。世界はこんなに広いんだ。兄さんの才能はこんなところで埋もれるものじゃない。あんな小さな、学校なんて世界が、兄さんの才能を潰していいわけがない。」

そう意志の強い目で俺の腕を持ち上げた。

これはユンギがＢＴＳになるまでの話。

※創造と妄想の産物。本人との関係一切なし。

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