ユンギがＢＴＳになるまで。 (ページ3)

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また兄さんの曲を聞きたいって。妹は笑った。それがムカついた。異常に。自分で自分が制御できないほど。この俺を見てまた曲を書けると思っている妹を異常だと思った。両親の反応が、世間の反応が普通なのだと知っている。いや、違う。知ってしまった。だから、妹の笑顔が途端に憎らしく思えた。その期待を俺に向けるな。分かるだろ。もう書けねぇんだよ。

俺の曲俺の物だ。誰の物でもない。俺だけが知っている俺の想いを込めた曲なのだ。なんで世間に公表されている曲をお前らが我が物顔で語る。そんな綺麗な物じゃない。そんな薄っぺらい話じゃない。叫びたいのに俺の声は届かない。もう俺はこの部屋から出られない。お前がいなかったら俺はもう死んでしまえる。

失望させようと思った。もう部屋にこないように。俺なんか死ねと思わせたかった。妹が、俺を生かそうとしている間、俺には心残りがある。それを無くそうと思った。兄として、自分の思いつく限りの最低。淡いセーラーを破ってやった。

「何でもしてくれんならやらせてよ。こんなんじゃ部屋に女よべねぇし。」

手首から流れる血が手の平を濡らして、妹の白い肌を赤く染めた。下に両親は二人ともいて、叫べば一発だった。俺家から追い出されるだろうな。無理矢理家から出されたら、家から出れる。そしたら電車にでも飛び込んでやろうかなって。そんなことを考えながら、中3の妹の身体を暴いた。

結果。妹は自分の口元を抑えて、抵抗の一つも示さなかった。意味が分からな過ぎて叫んだのは俺だった。初めてが実の兄。しかも引きこもりの世間じゃ犯罪者とまで叫ばれてる俺。一生消えない汚点だろう。なのになんでお前はいつもそうなんだ。俺の行動に一つの抵抗も示さない。昔からずっとずっとそうだった。震えて。それで、俺に大丈夫だよって笑う。

結果俺の叫び声でやったことの全ては両親にバレた。父さんが俺をめちゃくちゃに殴って、妹が必死に泣いて止めた。もう家になんて置けないと言う母さんと裏腹に妹は俺を追い出すなら自分も一緒に行くと言った。俺は自分のことなのに他人事のように眺めていた。

この男の危険性がAには分かっていないと母さんは泣いて説得したけど、妹は聞かなかった。俺もそう想う。今考えたら、普通に考えて俺は狂ってる。でも妹は逆に叫んだ。

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