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その7 。 ページ8

「ほら、1年!ちゃんと走って!ペース落ちてるよ!」




「は、はい…!」




「美岬…これ、ちょっと厳しすぎじゃない?」




あの楽しかった5限目から時間は過ぎて

放課後、つまり午後練の時間になった。



体育館では今、校内戦が消化できていない人達が試合をしている為、
校内戦をいち早く消化してしまった私と美岬は
新入部員の指導にあたっていた。



青道高校女子バドミントン部では、
まず1年生は春の間は体育館に入ってシャトルを打つことが出来ない。


自主練習なら打つことができるけど、
普通の練習の時は体育館に入っても筋トレや
フットワークばかり。


体力を付けるために、ただひたすら走る。
ただひたすら、高校生レベルになる為に筋力を高める。


そして、それに耐えられなくなった人が
選手ではなく、マネージャーに移る。

私達が1年生の時、マネージャーに移ったのは2人。
その上の代は、1人。

今年は、何人マネージャー志望者が出てしまうのだろう。

みんな、バドミントンがしたくてこの学校に来たはずなのに。





「…しょうがないじゃん。
厳しいって言っても、コーチの指示だし」



「けど…何事も段階を踏んでからじゃないと」



「だったら、Aはコーチに直談判できるの?」


それは無理。
うちのコーチ、指導者としての実力は確かだけど、少し頑固。

下手に抗議しに行けば、コーチは激怒する。

“お前らは子供なんだから、従っておけば良い。
熱中症や怪我に繋がらない範囲の中で、厳しくしているのだから。”



普段は普通の人だけど、
怒ったら昭和のスポ根漫画の登場人物みたいな事を言うコーチが

私は、実は少し苦手だったりする。



「…直談判は、無理。」



タイマーの数字と、苦しそうな表情で走る1年生を交互に見つめながら、
私はただ、「頑張れ」としか言ってあげれなかった。

その8 。→←その6 。



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ちょこれえと - 面白いです!続き待ってます (2019年10月7日 20時) (レス) id: cdd2774812 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白かったです!!更新待ってます (2017年12月26日 19時) (レス) id: 5b3b8bcb86 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葵助 | 作成日時:2017年11月4日 12時

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