その2 。 ページ3
さあ、やって来てしまいましたよ、教室。
だいたい、うちの部の方が朝練が終わるのが早いから
学校に先に来るのは私。
その辺はありがたい。
「ねー、Aー、昨日のドラマ見た?
俳優の竹内〇真めっちゃ格好いいんだって!」
私の席の前に座って、興奮気味に話す美岬。
「へぇー、良かったね…?」
…ごめん、私ドラマとか俳優とか分かんないよ。
テレビを観るとしても、スポーツ中継だけだし。
「あ、御幸おはよー」
さっきまで俳優の…あれ、誰だっけ、
俳優の話をしていた美岬が、私の後ろを見て挨拶をする。
「おう」
御幸、と呼ばれた奴の顔を、私は見上げる。
こいつが、御幸一也。
決して悪い奴じゃないし、嫌いでもないんだけど…
「おはよ」
「…おう」
軽く挨拶をしただけで、少し頬を赤くする御幸。
…こういう訳なんです。
いや、好意を寄せられるのは嬉しい。
嬉しいんだけど…
「で、付き合ってくれる気になった?」
何が“で”なの?
なんか自然な会話みたいな感じになってるけど
どこの乙女ゲーム?!
なんていう口説き方?!
「なってない」
私が否定すると、
御幸は“そっかー”と言って、
荷物を下ろして席に座る。
それを御幸と同じ野球部の倉持洋一が
呆れた目で見ていた。
「あ、先生来ちゃう」
時計を見た美岬は、私の2つ後ろの席に戻って行く。
そしてこれから、御幸と私の攻防戦が始まるのだ。
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ちょこれえと - 面白いです!続き待ってます (2019年10月7日 20時) (レス) id: cdd2774812 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - 面白かったです!!更新待ってます (2017年12月26日 19時) (レス) id: 5b3b8bcb86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵助 | 作成日時:2017年11月4日 12時