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「ごめんね?
嫌な思いしたよね」
そう言って困った表情をした。
あれれ?
さっきと全然雰囲気が違う。
ていうか
逆に違いすぎて怖いっ!!
そんな事を思った私は、思わず怯んでしまった。
「…で、ごめん誰?」
いけないっ!!忘れてたっ。
あまりのハプニングに、目的を忘れる所だった。
「あのっ隣の部屋に
越してきた秋川Aですっ!
ケーキよかったらどうぞ」
私は、彼の前にケーキの箱を差し出す。
「ありがとう。
僕は相川真冬っていうんだけど、
本当にごめんね?」
「い、いえ。」
なんて嘘ですけど。
こんな修羅場に巻き込まれて、迷惑じゃない奴なんてたぶん居ないと思う。
だから、若干
顔が引き攣ってたと思う。
「これありがとね、Aちゃん
食べさせて貰うよ」
そう言ってケーキの箱をかざす。
修羅場に巻き込まれたのはちょっとムカつくけど、
とりあえず悪い人ではなさそうなので、
安心してその場を後にしようとしたら…
「あんたもうちょっと
テレビの音量下げてくんない?
うるさいんだけど…」
そう言って隣に居た彼女がドアを閉めた。
「は?」
ドアはすぐに閉まったから、私の間抜けな返事は聞こえていなかったと思う。
しばらく唖然としていたけど、段々と頭が正常に働いてきて…
「何っあの女!!!
超ムカつくっっ!!!!」
最高にムカついた!
私はその場で地団駄を踏む。
大体っ!!
あの女の声の方がよっぽどうるさかったしっ。
あんたの声がうるさかったから音量上げたのにぃ〜!!
んもーーーっっ!!!
私はその夜、次の日が初めての学校生活だというのに
頭に血が昇りすぎて眠れなかった。
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