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歩side
あのクソ上司、あとで制裁を下してやる。私があそこでこけて、今鼻にティッシュ詰め込んで自己紹介されてるのは、あの上司が大量の書類を私に昨日まで四徹でやらせてたからだ。昨日の睡眠時間2時間。四徹を2時間で補えるかああああああ。
「………ということで皆さん、小木歩さんと仲良くしましょう。小木さんは美門君の隣ね。」
クラスメイトの名前と顔は、全員覚えている。美門は確か、ひたすら美少年君だったはず。後光が見えるほど、イケメンだ。というか、顔面偏差値高すぎだろこの学校。
「よろしく、小木さん。」
「ん、よろしく美門。」
美門氏のワンコ感すげーな。尻尾振ってそうじゃね？
そして、長いSTが終わり、授業が始まる。一時限目は、国語だった。しかも古典のCDを聞くそうな。睡眠時間2時間の私に、それはもう子守唄にしか聞こえない。
案の定、グースカ寝てしまって、授業が終わったときには先生に目をつけられていた。
そして、いやっふー休み時間！と思って、本格的に寝ようとしたら、あざといアイツがやってきた。
「小木さんいませんかー？」
とにかく寝たいので適当に返事しておいた。
「小木さんはいませんよー。」
「いるじゃん。」
くそぅ。俺の大事な睡眠を奪いやがって。お前は定時に帰ったくせに生意気だな。
半分寝ている私をわざわざ廊下まで連れ出して、お話をし始めた。
「眠ってるところわざわざ悪いとは思ってないけど、」
「思ってねぇのかよ。」
「歩ちゃんの次の授業は、僕らが追ってる奴だから。絶対寝ちゃダメ。質問とかして優等生ぶって。少しずつ距離を縮めるように。」
「へーい。」
そこでちょうどチャイムが鳴ったので、柊木と別れて教室に戻った。
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作者名：梨花帆 | 作成日時：2018年8月16日 21時
