63.運命まで ページ3
貴「……キミたちは何者なの。」
シモン「俺たちは何者でもない。……他に質問はあるか?」
貴「聞いたら全てに答えてくれるってわけ?」
シモン「不用意に情報を漏らすつもりはない。が、必要最低限の情報は教える。」
貴「じゃあ一つ目、行き先は楽園の塔で合ってるか。楽園の塔とは何か。」
エ「………それは。」
ショウ「おっと、姉さんはそれ以上はダメだ。」
狂気じみた笑みでナイフを首筋に突きつける。身動きの取れない私はただひたすら睨みつけるのみだ。
エ「ユイに手を出すな!……コイツは関係ないだろう。」
ショウ「それはどうかな?」
貴「?」
ミリアーナ「この子はね〜」
シモン「ダメだ。それは
ショウ「自由になれる場所ってところかな。これくらいなら答えてもいいだろ?」
シモンは頷く。私は心の中で反芻する。
自由になれる場所?
シモン「他にあるか。」
私とエル姉が捕まった理由を知りたいけれど、さっきの会話からして答えてもらえない。
ユイはこの一件に関係ない。そうエル姉が言った時、肯定も否定もしないセリフを吐いていたし、ミリアーナって子も何か言いかけていた。
あとは、エル姉との関係。
貴「それじゃあ、これが最後の質問。キミたちとエル姉はどういう関係なの?」
シモン「………。」
ショウ「姉さんは姉さんだ。」
ミリアーナ「仲間だよ〜」
ショウ「……オレたちを裏切らなかったらな。」
エ「………。」
シモン「気は済んだか。これ以上は答えない。」
……気持ちわるい。滅竜魔導士だから、っていうだけじゃなくて今まで以上に不穏な空気を感じる。
ショウという人間の歪み、ミリアーナという子の妙な明るさ、四角い顔の銃使いの物騒な行動、そして。ただ一人、その感情や思考の読めないシモンという男。違和感がある。
水面下でとんでもないことが起きている。
そうだね、これは直感かな。……だいたいこういう悪い直感は当たるんだ。
だからこそやらなきゃいけない。
今何が起きているか、エル姉と私だけが拐われた理由や楽園の塔とは何か。その全てを知らなければならない。
波に揺られる。足場が不安定で、とても気持ちがわるいんだ。
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刹那(プロフ) - 感想ありがとうございます!更新がかなりゆっくりになってしまいますが精一杯頑張ります! (2018年12月15日 15時) (レス) id: eeb9f84870 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - はじめまして!とても面白かったので大変だと思いますが頑張ってください!続き待ってます(*´-`) (2018年12月9日 22時) (レス) id: f430c0199a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那 | 作成日時:2018年10月8日 10時