【カゲプロ】世界を愛した少女の話"後編"【シンタロー】

※目隠し125※目を覚ませば ページ9

キドside


??「…ちゃん 起きて、つぼみちゃん！！」


ん……


誰だ…？


A姉…じゃないな


まさか、アヤノ姉！？


……いや、違う


もっと…もっと昔に聞いた、優しい声だ


キ「ん…」


目をゆっくりと開ける


眩しい光が目に入ったかと思うと、綺麗な女の人が現れた


この人は……


キ「お姉ちゃん…？」


これは夢なんだ


絶対、絶対そうだ


だってお姉ちゃんはもう.死.んだから


俺を守るために、自分は炎が舞い上がる家に残って


キ「何でお姉ちゃんは生きてるんだ？だって、お姉ちゃんは.死.んじゃったじゃないか！！」


そうだ


お姉ちゃんが生きている筈はないんだ


姉「ちょっと、つぼみちゃん何言ってるの？」


お姉ちゃんはﾆｺﾆｺと笑いながら言った


姉「あ、もしかしてつぼみちゃん自分は未来人とか言うの？
でもさ、それじゃあ大きくなってないと」


何言ってるんだ？


だってあれから何年も経ってるんだ


俺はお姉ちゃんに連れられて、大きな鏡の前に立った


キ「なっ…
これは、どういうことなんだ…」


鏡から此方を覗く俺の姿は、



今の俺の姿でなく、



あの日



俺の一つの命が消え去った



あの、地獄のような日と同じ



幼き自分の姿だった


服も、お気に入りのパーカーでなく
お嬢様が着るようなドレスだ


キ「今って…何時？」


震える声で俺は聞いた


姉「8月15日…だけど？」


いぶかしげに聞くお姉ちゃん


でも、今はそんなお姉ちゃんの言葉も耳に入らない


8月15日


それは、俺とお姉ちゃんが


.死.んだ日だ

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