【カゲプロ】世界を愛した少女の話"後編"【シンタロー】

※目隠し141※「あいつ」 ページ28

※かなり飛ばします※


私の声に導かれ、彼女はあの丘の上へと来ていた


榎「……違う」


そこには、「あいつ」がいなかった


わかっていたこと


だけど、心のどこかで信じたくないって思ってた


榎「やっと伝えられると思ったのに……」


彼女が私の心を代弁してくれているかのように呟いた


その言葉を聞き、今までとじこめていた思いが言葉となって溢れ出す


エ『……やっぱりもう……ダメだったんだ
ここでしか、この場所でしかもう伝えることが出来なかったのに……！』


エ『結局もう全て終わってしまっていたんだ！
もう……何もかも……ッ！』


涙が溢れて止まらなかった


＿＿＿もう、諦めよう＿＿＿


「あいつ」がいない、誰も幸せになれないこんな世界なんか……


エ『こんな……こんな世界ならいっそのこと＿＿＿＿』


"消えてしまった方が……"


私がそうおもったとき、彼女が私に向かって呟いた


榎「……ごめんね……貴音」

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