【カゲプロ】世界を愛した少女の話"後編"【シンタロー】

※目隠し137※沈没 ページ24

…え？…はぁ？


…ど、どういうこと？


意味がわかんない…


父「と、取り合えず外に出てみよう」


父も、随分と同様しているようだ


父に手を引かれるがまま外へ出ると、甲板は人でごったがえしていた


皆、救命ボートに我先と乗っていく


ある人は何か意味のわからない言葉を叫びながら、意味もなく走り回り


ある人は大声をあげて泣きながら、ただその場に崩れ落ちていた


私は、ただ、呆然とその場に立ち尽くすことしかできなかった


＿＿これは現実なんだろうか…？＿＿


＿＿本当は、たちの悪い悪夢(ﾕﾒ)なんじゃないの…？＿＿


今目の前で起きていることに、頭が追い付かない


夢だと、思い込もうとしている


父「モモ、何してるんだ！！
早く逃げないと！！」


父の声に、ﾊｯと我にかえる


父は私の手を強くひきながら、救命ボートの方へと歩いていく


私はただ引きずられるままだった



、



、



、



、



、



……と、



、



、



、



ドォォォォォォンッ！！！！


突如、空が落ちてきたんじゃないかと思うほど、大きな音が響いた


まるで映画を見てるみたいに、船が大きく揺れた


まるで、時空がゆがんだみたいだ


大勢の人々の叫び声と、海のうなり声を、ただ静かに聞いていた


そんな私の目の前には、



大きな、大きな


津波がせまっていた


ﾊﾞｰﾝｯ


耳が割れそうな音がして、前が真っ暗になった


まるで、宇宙にいるように、体がなんの抵抗もせず海へと落ちていく


……ああ、私は溺れたんだ

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