主人公の王子様 ページ8
その後、私は高橋さんとアドレス交換をして、家に帰った
家の中ではもちろん、小説の続きに目を通した
昨日は変な感情が邪魔して、本を読まなかったからだ
今思えば、そんな事を考えていた自分に嫌気がさす
いいじゃないか。だってこの本は、そんなぐしゃぐしゃな感情を忘れさせてくれるほどに、面白いのだから
途中まで読んでいて分かったことは、いくつかある
主人公は兄と妹に挟まれた、三人兄弟の真ん中な事
その兄はとても優秀な事
主人公は国語がとても得意で、数学が苦手な事
周りを取り巻くメンバーは、四人の男の子だという事
｢四人の男の子…確か…｣
【確か、一人だけいましたね。彼らと関わってる女子が】
｢…もしかして…｣
そう思った時には、目線は本に釘付けになっていた
体も前のめりになり、着ていた部屋着のチャックが、シャツ越しに肌にくい込んだ
食らいつくように忙しなく読んでいると、その男子の特徴が書かれている描写を見つけた
『四人は、言葉では表しにくいほどに、個性的な人達だった
一人は目立つ事を生き甲斐のように感じ、率先して前に出る
口も達者で、その面に関しては憎いぐらいにいつも言い負かされてしまう
一人は冷静沈着で、数学に関しては神童と呼ばれていても不自然ではなかった
目が見えにくいために眼鏡をかけているが、それは思っている以上のものだと、後に判明する事となる
一人は妖美な雰囲気を纏い、同年代の少年とは思えないオーラが彼を輝かせていた
対人関係も広く、相応の人間を見つけ出すことに関しては、突出した才能を持っているだろう
一人は温厚で、今思っても私が最も気を許していた相手だと断言出来る
だが、理科と社会が天才的にできるということで、彼もまた、塾内では有名人だった
そんな四人に囲まれたこれからは、今まで見てきたどんな世界よりも明るく、美しいものに変化していくことを、私はこの時、無自覚に予感していたのかもしれない』
そう書かれた文は、酷く私の心に刺さった
予感
それは、とても無責任な言葉だ
予感が的中することなどそうそうないのに、私達はそう言ってしまう
それで外れたらどうする？
ちょっとした事でも、責任という概念は存在する
その責任は、一体誰がとるのだと言うのだ
誰もとらなくていい責任なんてない
当事者じゃなくとも、誰かが責任をとらなくてはならない
こんな事実に、こんな早くに気づきたくなくなかった
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月兎 - kazさん» ありがとうこざいます。私はいつも、自分がどんな作品があったら面白いかと思って話を作っています。技術的な面でしたら、あまり文末表現が同じにならないように注意しています。 (2019年4月14日 22時) (
レス) id: bc3aac3492 (このIDを非表示/違反報告)
kaz - 良かったです。私も作品を作ろうと思っています。やり方を教えてください。 (2019年4月14日 13時) (レス) id: 02c88d0728 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 紺さん» まだまだ未熟ですが、これからも頑張ります！ありがとうこざいます！ (2019年4月14日 10時) (レス) id: bc3aac3492 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 愛さん» この話は、簡単に言えばアーヤ達の時系列から何年か後の物語です。ですが、若武達もきちんと物語に参戦するシナリオを考えているので、公式キャラもきちんと出ます。 (2019年4月14日 9時) (レス) id: bc3aac3492 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 結愛さん» そう言って頂けると元気が出ます！これからもよろしくお願いします！ (2019年4月14日 9時) (レス) id: bc3aac3492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月兎 | 作成日時：2019年4月7日 19時
