続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２２ 】

食事は一緒に ページ26

◆ 太輔・side ◆

皆が病室を出て行ってから２時間。


点滴がそろそろ終わり…


「もういいかな？」
枕横のボタンを押した。

『はーい！行きまーす！』
元気な看護師さんの声。


数分後…

松原医師と２名の看護師が入ってきた。


「背中は？」
ん〜…

「大丈夫です」
痛くない。


松原医師が診てくれる。


「… Aちゃんは？」
あ…

「まだ皆と話してるんでしょう？」
たくさん話すことあると思うし。


松原医師が頭を傾げた。


「皆、帰ったけど？」
え？

「今日は、誰も付き添わないからって。ねぇ？そうだよね？」
松原医師が看護師さんに聴いていた。

「ええ、今日は安心だからって」
安心…


違う…


俺たちを２人きりにしたんだ…

話し合いをさせるために。


「あ、そうそう食事なんだが、毎回２人でココで食べるかい？」
え…

「２人で食べた方が楽しいし美味しいだろ？」
楽しい！美味しい！

「はい。２人で食べます！」
看護師さんがカルテに書いた。

「わかった。あ、それから毎回、夕食が済んだら 点滴するからね」
また点滴…


２時間かかるな…


「朝１０時点滴、夜７時点滴。これが君の治療ね」
２回の点滴…

「はい、よろしくお願いします」
俺は、ぺこりとお辞儀。


３人は静かに病室を出て行った。


ギシッ…


「A… 」
ベットに横になりながら名をつぶやいた。

「１２時か… そろそろ昼食だな」
もうこんな時間…


A… こっちに運ばれてくるって知ってるかな？

看護師さんがカルテらしいものに書いてはいたけど…


「… 呼びに行った方がいいのか？」
知らないと来ない…

「それに… お腹 空いてるよな？朝飯抜きだったし」
目覚めてすぐに庭園行ったから…

「よし！！」
体を起こした。


ギシッ。


「スリッパ… スリッパ… あった♪」
ゆっくりベットから降りて履いた。

「迎えに行こ〜と♪」
体が軽い！！


気分も軽い！


パタパタと軽快にドアへ。


「ん〜♪」
鼻歌交じり〜♪

「ドア！オープン♪」
えい！


え…


「おわっ！！？？」

「ひゃ！！」


うそ…


目の前にビックリ顔のA。


「いたのかよ… 」


黒いバックを持ったA。



シーン…



「A？」


スッと出されたカバン。


「あの… お父さんのコンソメ… 」


コンソメ…


「一緒に食べよ」


笑顔もなく言われた。


どこか強張った表情…


この表情は、今から話すことを知ってる顔だった。

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