続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２２ 】

揺れる心 ページ25

あの時…


久利生先生と辻さんの前で はっきり言った。


『太輔が大切だから行きません。申し訳ありません』と。


「… 太輔君の気持ちを知ってるのか？」
… 太輔の気持ち？

「竜也さん、それは藤とAが話し合うことです」
話し合うって…


合うけど…


「話しはする。でも、私は行かない」
２人にもう一度言った。

「… わかった。でも結論は話し合ってからにしなさい」
結論って…


「変わらないよ… それに 太輔の気持ちは… 」

「結論には まだ早いと言ってる」


！！


「話し合えよ… ガヤ先輩と」
廉耶…

「そうだよ、ちゃんと話してきなよ」
伊吹…


ココにいる皆の表情が同じことを言ってるような気がする…


話し合えと…


「何よ… 急に… 皆して… 太輔を追い込んだのは 私なんだよ？」
死を選ばせたんだよ？

「逆にいた方がいいじゃない！！それに… それに… 」
私がいなくなったら…


太輔は… また…



ドサッ…



「… え？… 何？」
目の前に置かれたカバン。

「お前の食べたがったコンソメ」
あ… コンソメスープ…

「２人分ある」
２人…


太輔と私の分…


「別にお父さんは、どっちでもいいんだ」
え…

「それが２人の結論ならな」
２人の…


結論…


「行かないなら 俺が厳しく教えるだけだ。俺の城だからな」
お父さんの城…

「ただ… 和は、明日 帰る」
え…


慌てて 久利生先生を見た。


「明日の４時のフライト」
４時…

「１時に来るから… それまでに２人の結論を聴かせてくれ」
私の結論…


ううん、私たちの結論…


「わかり… 」

「じゃあ、皆 帰るぞ」


え？


ガタッ…


「え？え？皆、帰っちゃうの？」
皆が帰り支度を始めた。

「話し合って」
お母さん…


ぎゅ。


「あったかい… 」
お母さんの胸…


優しく抱きしめてくれる。


「太輔君は、すべてわかってる」

「だから、あなたの正直な気持ちを言いなさい」


正直な気持ち…


「じゃあね、何かあったら連絡しなさい」
そう言うとお母さんは私から離れた。


皆が私に手を振る…



パタン…



静かにスライドドアが閉まった。



「私の気持ち… 」



トクン…


トクン…



「どうしよう… 」



行きたい？


行きたくない？



行ってみたい…


行きたくない…



「心がバラバラになりそう… 」


気持ちが揺れる。



ぎゅぅ…



目の前に置かれたカバンを握りしめた。


でも、太輔の病室に行くのに数時間かかった。

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