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ページ29

突然現れた、母と名乗る謎の声。

果たしてその正体とはー。

そして、彼女は敵なのか、味方なのかー!

「太宰さん、どっか行かないでください。太宰さん」

幾分冷たいAちゃんの声が私の意識を呼び戻す。

「いや、あまりにもベタな展開というか、でも彼女は私が殺したよ?」

「娘の前で言わないでください。ひどい人」

……なんかさっきまでと雰囲気違いすぎない?

まぁ、予想外すぎて思考が追いつかないのもあるだろう。

「うふふ。治ちゃんがこの私を殺す?臍で茶が沸かせちゃうわ!」

……すごく馬鹿にされてるのはわかった。

「懐かしいわ。あの人と一緒にぐっちゃぐちゃにされたのも、もう5年も前なのね」

相変わらず声は部屋中に反響して、音の出所がわからない。

否、この部屋自体が、自称Aちゃんの母なのかもしれない。

「Aはもう二十歳?成人しちゃったの?早いわねぇ」

しみじみと話し続ける彼女に対して、Aはどんな思いを抱いているのだろうか。

聞いてみたいけど、怒られそう。

「……太宰さん、この部屋、出れませんね」

「へ?」

「あら、もう気づいたの?そうよ、出れません!私の用事が終わるまでね」

不思議がる私に、Aちゃんはコツコツと耳のインカムを叩いて見せた。

……成程。外と繋がらないのか。

「貴女の用事って?」

「だから敬語は嫌なのに。……内緒。あの人にも内緒の極秘任務」

楽しそうに震える声。

「はぁ、この時をどれだけ夢見たことか。あ、治ちゃん、さっき私のことを『異能無し』って言ってたでしょ」

実はね。

「あるのよ、異能。あの人以外は知らないけれど、私には確かに異能があるの」

うふふ、とまた楽しそうに笑う。

「貴女は……!」

「じゃあね、愛しいA。治ちゃんも。いつかはそのドアが開くわ」

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ワンコンコン - 面白いダス (2019年7月21日 0時) (レス) id: ad92a05ced (このIDを非表示/違反報告)
きみぺ - すごく面白いです!!!更新頑張って下さい!!!めっちゃ応援してます(≧∇≦) (2016年8月8日 21時) (レス) id: f3497d4bfc (このIDを非表示/違反報告)
うちを - 太宰さん!太宰さんお願い致します!何とぞよろしくお願い申し上げますっ! (2016年6月12日 22時) (レス) id: 67f1d4205b (このIDを非表示/違反報告)
久田 螺々亜(プロフ) - 真衣さん» コメントありがとうございます。わ、わかりました……!ご期待を沿えるよう努力致します! (2016年6月1日 23時) (レス) id: a7a03e9879 (このIDを非表示/違反報告)
真衣(プロフ) - 中也オチを頼みます。 (2016年6月1日 20時) (レス) id: f1da17ec5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:久田 螺々亜 | 作成日時:2015年6月27日 21時

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