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中島敦 ページ19

その出会いは突然だった。

或るゲームセンター。

「…………A、さん」

「へ?」

ストレス発散とばかりに、模擬銃で画面の中の敵を倒しまくっていた時。

いきなりの名前を呼ぶ声。

しかし振り向くわけにもいかず。

「ちょっと待っててもらえます!?」



「いやぁー鏡花ちゃんがこんなところにいるなんて」

無事にゲームをクリアし、私達はゲーセンのベンチに座っていた。

私を呼んだのは紅葉姐さんのところの、泉鏡花ちゃん。

彼女の隣には銀髪の彼。

「そして、鏡花ちゃん、そちらの方は彼氏…………?」

「違う」

ゆるゆると首を振る。

「中島、敦」

「ほぉ…………!」

写真よりかっこいいじゃないですか首領!

って!

「中島敦!!!」

ビクッと驚く中島敦。

小動物かよ、可愛すぎかよ。

表に出すと変人なので、心の中だけで悶えておく。

…………というかターゲットと会うってどれだけ運良いの私。

「え、と…………そちらの方は…………?」

「上司の同僚さん」

「ポートマフィア!?」

再度のビクッ。

「鏡花ちゃん、正直過ぎないかな…………?というかバレてんの」

「…………逃げたの」

俯く少女。

そういえば誰かが探偵社に捕まったかなんかって聞いたな。

それが、鏡花ちゃんだなんて。

「確か、梶井さんと一緒に任務に出て…………」

「貴女もポートマフィアということは、彼女を連れ帰りに来たんですか」

…………おおう?

気づくと、鏡花ちゃんを抱き、臨戦態勢の中島敦がいた。

ゲーセンの客がなんだなんだと集まる。

「…………戦う?逃げる?」

私は冷や汗をたらして小さく呟いた。

正直、鏡花ちゃんを巻き込む可能性があるから、戦闘にはもっていきたくないんだけど。

…………情報収集情報収集!

やっぱり実践が一番だよね。

「うん。私、鏡花ちゃんのこと気に入ってるし、連れ戻したら姐さんにも褒められるし、一石二鳥?」

「なら容赦はしない!」

異能力『月下獣』

手足のみを獣のそれに変えて、中島敦が突っ込んでくる。

危険を悟ったのか、遠くから悲鳴が聞こえてきた。

「へーえ、身体変化か。完璧には変化しないの?」

「手加減してあげたんだ!」

…………ほう。

この銀姫に手加減とは。

「───『鉛夜叉』。いくよ」

ぬっ、と巨大な気配と共に、私の背後に大きな鉛色の傀儡が顕れる。

否、傀儡にされるのは私なのだが。

鉛夜叉の両手が持ち上がり、

「大人しくくたばったほうがいいよ?」

笑う。

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ワンコンコン - 面白いダス (2019年7月21日 0時) (レス) id: ad92a05ced (このIDを非表示/違反報告)
きみぺ - すごく面白いです!!!更新頑張って下さい!!!めっちゃ応援してます(≧∇≦) (2016年8月8日 21時) (レス) id: f3497d4bfc (このIDを非表示/違反報告)
うちを - 太宰さん!太宰さんお願い致します!何とぞよろしくお願い申し上げますっ! (2016年6月12日 22時) (レス) id: 67f1d4205b (このIDを非表示/違反報告)
久田 螺々亜(プロフ) - 真衣さん» コメントありがとうございます。わ、わかりました……!ご期待を沿えるよう努力致します! (2016年6月1日 23時) (レス) id: a7a03e9879 (このIDを非表示/違反報告)
真衣(プロフ) - 中也オチを頼みます。 (2016年6月1日 20時) (レス) id: f1da17ec5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:久田 螺々亜 | 作成日時:2015年6月27日 21時

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