武装探偵社 ページ11
「あのー。異能特務課の坂口 安吾の紹介で来た者なんですけどー……」
「えーと、本多 Aさん、ですよね。こちらへ」
武装探偵社内は意外にも広かった。
樋口さんから「零細」とか「ちっちゃな」とか聞いていたんだけどなぁ。
人々がせわしなく動き回り、忙しい会社、という印象を受ける。
「本多さんは事務員希望で？」
出迎えてくれたタレ目の気弱そうな青年が尋ねてくる。
カラフルなヘアピンに萌え袖。
……かわいすぎかっ。
と、そんなふうに思っていることはおくびにも出さず、私は首を振った。
「いえ。実は、調査員希望なんです。意外ですか？」
「あ、いや……女性が荒事なんて……と思ったものですから」
「探偵社には女性の調査員の方はいらっしゃらないんですか？」
私の問いに、青年は困ったように笑った。
「いやぁ……一応専属医なんですがねぇ」
探偵社の専属医、といえば世界的に珍しい治癒能力者か。
確か与謝野とか言ったっけ。
「悪いことは言いませんから、此処では怪我しないほうがいいですよ。地獄よりも酷い目に遭いますからね」
着きました。此処です。
と示されたのは一番奥の重厚な扉の前。
「社長。来ました」
「失礼しまーす…………」
青年に続き、小声で挨拶をする。
どっしりとした机に座っていたのは和服の男性。
「谷崎、ごくろう。これを国木田に持っていってくれるか」
谷崎と呼ばれたさっきの青年は元気よく頷き、社長室を後にした。
「本多、と言ったか。どんな異能なんだ？」
「えと、『鉛夜叉』、というみたいです」
「みたい…………？」
あはは、と私は苦笑した。
「実は制御がきかなくて。背後の異形のものに操られる異能なんです」
社長は腕組みをして考えだした。
まるで何かを思い出そうとしているようで。
「…………確か、ポートマフィアの者に、似たような異能をもつ者がいたな」
ぎくり。
発動したのはつい最近だというのに、もう情報が漏れていたのか…………！？
「…………尾崎…………もみじ…………？」
あ、紅葉姐さんのことか。
「それって、こうよう、じゃありませんか？」
「む…………？詳しいな」
「あ、あぁ！坂口さんに教えてもらったんですよ！異能特務課の！」
危ない危ない。
マフィアだとばれたらどうなったことか。
「そうか。…………とりあえず入社試験だな。国木田とペアを組め。事件を解決してもらう」
「はぁ、入社試験…………」
…………入社試験！？！？！？！？
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ワンコンコン - 面白いダス (2019年7月21日 0時) (
レス) id: ad92a05ced (このIDを非表示/違反報告)
きみぺ - すごく面白いです！！！更新頑張って下さい！！！めっちゃ応援してます（≧∇≦） (2016年8月8日 21時) (レス) id: f3497d4bfc (このIDを非表示/違反報告)
うちを - 太宰さん！太宰さんお願い致します！何とぞよろしくお願い申し上げますっ！ (2016年6月12日 22時) (レス) id: 67f1d4205b (このIDを非表示/違反報告)
久田 螺々亜(プロフ) - 真衣さん» コメントありがとうございます。わ、わかりました……！ご期待を沿えるよう努力致します！ (2016年6月1日 23時) (レス) id: a7a03e9879 (このIDを非表示/違反報告)
真衣(プロフ) - 中也オチを頼みます。 (2016年6月1日 20時) (レス) id: f1da17ec5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久田 螺々亜 | 作成日時：2015年6月27日 21時
