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掴めない真意 ページ10

【A視点】

「いったいどういうつもりなの……?」

自然と声が漏れ出ていた。あの人に対する不信感が、そうさせた。


サトシたちが準決勝に向けての意気を高めているところに、あの人……フラダリさんが水を差した。私は気づかれないよう、そっと息を殺して、物陰に溶け込んだ。

フラダリさんの言ったことを要約すると、リーグが終わった後、サトシとゲッコウガの間に起こるキズナ現象について調べたいから話を聞かせてほしい、と。

本当に、何を企んでいるのだろう……。真意が見えないからこそ、敵意が胸の奥から沸いてくる。

サトシたちはあの人の裏の顔を知らない。私もしっかり見たわけじゃないけれど、あの人が本性を隠していることは察せる。
サトシがあの人の企むことに巻き込まれるのは嫌だ。でも、どうしたらいいんだろう。ここでそのことを直接サトシにぶつけても、混乱させてしまうだけだし……。

何もできない自分が不甲斐なかった。


せめて、あの人が何か事件を起こしたとしても、みんなを守れるように、強くありたい。
そう思って、明日のバトルに全力をかけることしか、私にはできないんだろう。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カロスリーグ、準決勝。これまでと違い、観客席の埋まり具合が凄まじい。

私は荒野のバトルフィールドに立ち、対面するロックさんの目をじっと見つめていた。次に出してくるポケモンはわかっている。

現在、私はフィスト以外の5体を明かし、なおかつ誰も倒されていない。それに対して、ロックさんの手持ちは残り1体。メガシンカポケモンを残している。

フィールド上で相手を待つツドキが、ふとこちらを向いた。その表情ですべて悟った。

このバトル、私たちが勝つ!


「いけっ! バンギラス!!」

やっと、エースとエースがぶつかり合える。

「大地を揺るがせ! 巌の鎧兜!!
バンギラス、メガシンカ!!」

そして、メガシンカを使われる。凄まじいエネルギーが巻き起こり、すなあらしも起こる。

「ツドキ、大丈夫だよね!」

「キッス!!」

いくら天候を操られたって、私たちの前では効果ないんだよ!

「足元にエアスラッシュ!!」

荒野のフィールドにエアスラッシュをわざとぶつける。砂ぼこりが巻き上がって逆効果だと思うじゃない?

ところがどっこい、フィールド中、下から煽るように強い風が駆け抜けて、飛び交う砂を空高くに追いやった。ツドキの微妙な位置調整が、これを可能にしたんだ。さすがツドキ!

厄介な素早さ→←静かに見守っている人々



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設定タグ:ポケモンXY , アラン , 長編   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:頂志桜 | 作成日時:2019年7月31日 20時

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