【最強メガシンカ】世界でいちばん頑張っている君に～～18th Singularity～～【ポケモンXY特別編】 (ページ6)

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懸念ページ6

「おーいアラン！！ A！！」

選手村への帰り道、並んで歩く俺とAの後ろから走りかけてきたのは、明日の準決勝での俺の対戦相手。

「サトシか。明日の対戦のことか？」

「もちろん！俺、アランとしっかり戦いたいってずっと思っていたんです！」

Aはサトシの言葉を聞いて、いたずらをするように俺の脇腹をひっ突いた。

「アラン、相手がサトシだからって、テンション上がって空回りしないでくださいよ？」

「わかってる。サトシだからこそ、落ち着いて、俺の全力を出せるように戦うつもりだ」

サトシは俺の全力というワードに反応した。うれしそうな笑顔。

「明日が楽しみだぜ！俺も全力で挑むつもりです！」

ここでサトシを呼ぶ声が聞こえた。振り向くと、セレナたちが清々しい表情でこちらを見ているのに気づいた。サトシが呼びかけに応える。

「サトシ、アラン、明日の戦い、私も楽しみにしているよ。まずは私がロックさんに勝って、あとに続く二人の戦いを盛り上げるから！」

「ああ、頼むぜA！じゃあな！」

サトシが走ってセレナたちの方に向かうと同時に、俺たちはまっすぐと選手村に戻った。

「じゃあ、また夕食のときに」

「待て、A」

自分の部屋に戻ろうとするAをロビーに引き留めた。

「話してくれ。お前が気になっていること」

俺がルイと戦ったあと、戻ってきた俺に対していつもとは様子が違ったA。何か気になることがあると暗示していた。それが何か、早く知りたい。そして早くその懸念を振り払ってやりたい。

ゆっくりうなずいたAは、ロビーのソファーに腰を下ろして話し出した。

「アランとルイさんとの戦いで、ルイさんのメガガブリアスがリザードンにりゅうせいぐんを放ったとき、あったじゃないですか」

ああ、あのときか。

「あのとき、アラン、一瞬だけ自分の肩を庇うような姿勢とりましたよね？」

「……気づいていたか」

一瞬のことだったから、誰にも見られていないと思っていた。見られたとしても、なぜそうしたかをここまで深刻に考えないだろうと思っていた。

「たしか、以前にレックウザのりゅうせいぐんを肩に受けたって、言っていましたよね」

こいつは俺が以前何気なく言ったことを、ちゃんと覚えている。だから心配してくれているんだ。

「怪我自体は治っているかもしれない、でも……」

Aは意を決したように言い放った。

「そのときのこと、思い出して、怖かったんじゃないですか？」