最高の相棒 ページ41
【アラン視点】
「ルカリオ、マニューラ、両者、戦闘不能！」
相討ちか。
マニューラはかなりルカリオ……フィストに攻撃を当てていたにもかかわらず、フィストがここまで堪えるとは思わなかった。タイプ相性があるとはいえ、メタルクローとはどうだん二発で俺のマニューラを倒すなんて、かなりの力の持ち主だな。Aとの絆も強く感じた。いい仲間を持ったな、A。
ついに俺の手持ちが残り1体。後に引けない状況になってしまった。Aは残り3体。しかもアステ以外はノーダメージで温存されている。
こんな追い詰められた状況だが、だからこそ燃える。こいつも、そう思っているだろう。
「さあ、思う存分暴れてこい！ 俺の最高の相棒……リザードン！！」
観客も、実況も、Aも、そしてもちろん俺とリザードンも、この状況に気持ちを高ぶらせている。
「やっと……戦えるんですね」
Aが目をきらきらさせてリザードンを見上げる。それを見て気づいた。
Aがしっかりとバトルとしてリザードンと向き合うのは初めてのことだ。一応ツドキとリザードンが戦ったことはあったが、パプニングで中断となってしまったから、これが初と言ってもいいだろう。
「いくよ、アステ！」
まずはアステ。バンギラスとの戦いで疲れが溜まっていると思いきや、早くも回復しているようだ。闘志がたぎった瞳をしている。
クライマックスはもうすぐそこだ。
「アステ、かえんほうしゃ！」
Aは俺に一瞬視線を向け、かえんほうしゃを指示した。いいだろう。誘いに乗ってやる。
「こっちもかえんほうしゃだ！」
真っ直ぐかえんほうしゃがぶつかり合う。少しの間拮抗したが、リザードンの方が押し切った。
「さすがに威力は負けるか……。なら、アステ、でんこうせっか！」
「翼であしらえ！」
目にも止まらない速さのアステを、リザードンは余裕で受け止める。
「かみなりパンチ！」
「アステ、ねんりき！」
素早さなら負けない。避けられる前にかみなりパンチを繰り出そうと思ったが、ねんりきで動きを止められ、失敗した。
「そのままねんりきで動きを封じて！」
Aたちはそれで主導権を握れると思っているだろうが、それは違う。
「リザードン、かえんほうしゃ！！」
たとえ身体全体の動きが止められたとしても、かえんほうしゃは繰り出せる。しかも、命中させられる。
アステにダメージが入り、ねんりきが切れた時を狙う。
「リザードン、ブラストバーン！！」
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2019年7月31日 20時
