望み通りの組み合わせ ページ5
【アラン視点】
準決勝進出、か。予想はしていたが、少し危なかったな。
ルイは俺に負けたあとに厳しい修行をしてきたと言った。その言葉は本当だったようで、あのメガガブリアスのりゅうせいぐんは手強かった。念のためにあのときまでメガシンカをしないでおいて正解だった。
「お疲れ様です。アラン」
Aがいつものように、いつもの場所、他の観客から少し離れたところで俺を待っていてくれたが、なんとなく様子がいつもと違う。何か懸念していることがあるような雰囲気だ。
「どうしたA。何か気になることでもあるのか?」
Aは少し迷ったあと、首を横に振った。「今は、考えないことにしておきます」と言うが、それは完全に気になることがあると言っているようなものだぞ。
「夕食のときにでも話しますから。今は、アヤカさんとロックさんの戦い、観戦して楽しみましょ?」
まあ、ここはAに従うことにするか。アヤカとロックの戦いも、なかなかに見応えありそうだしな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「アブソル、メガホーン!」
「バンギラス、はかいこうせん!」
アヤカのメガアブソルが、ロックのメガバンギラスのもとに飛びかかる前に、メガバンギラスがはかいこうせんを放つ。あのメガバンギラス、俺が戦ったときよりはるかにスピーディーになっている。
はかいこうせんを避けきれなかったアブソルはメガシンカを解き、ぐったりとフィールドに倒れ込んだ。
「アブソル、戦闘不能! よって勝者、ロック!!」
準決勝進出確定4人目はロックか。
「お二方とも強かったですね。特にロックさんのあのバンギラス、スピードとパワーが並を超してる……」
Aが腕を組みながら、ロックの退場を見つめる。もしも自分が彼と戦うなら、ということを考えているのだろう。
「そろそろ準決勝の対戦カード発表か。誰と当たっても、敵に不足はないな」
しかし、できることならAとは決勝戦で戦いたい、という思いがある。
「ええ。でも、私、アランとは決勝戦で戦いたいんです」
考えていることを読まれたのか、そもそも全く同じことを思っていたのか。恐らく後者だろう。
「そうだな。最後はお前と戦いたい」
Aはうれしそうにくすりと笑った。スタジアムのモニターに準決勝の対戦カードが映る。
「Aとロック、俺とサトシの対戦か」
望み通り、俺たちが二人とも勝ち進めば、決勝で会える。そして、俺はついにサトシと戦える。
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作者名:頂志桜 | 作成日時:2019年7月31日 20時