爪と爪 ページ40
アランの5体目はマニューラ。すごく賢くて、理解力に優れている子。
だからこそ、全力を尽くして戦いたい。
「まだいけるよね、フィスト!」
「がるぅ!」
フィストはさっきのダメージを受けていながらも、まだまだ元気な声を出した。
「さぁ始めるぞ! マニューラ、れいとうビーム!」
「かわしてグロウパンチ!」
マニューラがフィストを追ってれいとうビームを放つが、フィストはひょひょいとかわし、グロウパンチを繰り出した。
しかしマニューラは一歩後ろに下がり、難なくかわした。私たちの考えを読んでいるような動き。
「マニューラ、つじぎり!」
そこから余裕がありそうにつじぎりを放つ。フィストもかわすが、少しマニューラの爪がフィストの頬を掠めた。
「フィスト、メタルクロー!」
「かげぶんしん!」
フィストが出したメタルクローが当たったのは、マニューラの分身だった。既に無数のマニューラがフィールド上に現れている。
「マニューラ、れいとうビーム!!」
取り囲まれたフィストに四方八方かられいとうビームが襲い来る。ここは!
「フィスト、地面にグロウパンチ!!」
勢いをつけて、地面に拳を突き出すフィスト。さっき地面にヒビが入っていたのも相まって、簡単に地面に凹凸が出来上がる。その凹凸でれいとうビームをせき止めた。
「フィスト、はどうだん!」
そして波動の力で本物のマニューラを突き止める。……フィストのすぐ後ろ!!
フィストは振り向きざまに、はどうだんを直接マニューラにぶつけた。マニューラは後ろに吹き飛ばされる。こうかはばつぐんだ。分身もすべて消滅した。
「そのままグロウパンチ!」
「まもる!」
グロウパンチが当たるすれすれのところで、マニューラにまもられた。これには私もフィストも意表を突かれた。
「れいとうビーム!」
至近距離でのれいとうビームは避けられず、フィストの胴体が一部凍った。
「はどうだん!」
動けなくても安定して出せるはどうだんを放つ。しかしマニューラはつじぎりではどうだんを無効化させた。
「マニューラ、そのままつじぎり!」
「メタルクロー!」
爪と爪がぶつかり合い、目にも留まらぬ応酬が始まった。
「そこでグロウパンチ!!」
「れいとうビーム!!」
同時に技を出し、距離をとる。どちらも次で決着が付きそうなダメージだ。
「とどめだ! れいとうビーム!!」
「はどうだん!!」
これも同時に技が繰り出され、どちらも技が命中した。これは……。
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作者名:頂志桜 | 作成日時:2019年7月31日 20時