人間についての頁。 ページ17
この世界の人間も、¨現実世界¨にいる人間と大きな差はない。翼や尻尾、角などを持たない、最も普通な種族が「人間」である。
理性も何も持たない「魔物」と比べればマシだが、「人外」などと比べれば身体能力も寿命も圧倒的に下。
ただ知力や技術に関しては勝る所があり、人間の長所はそこだろうか。
また、この世界の人間は「大人が少ない」というのが一番の特徴であり、現実世界の人間とは違う所か。
この世界の人間は、現実世界の人間よりも遥かにゆっくりと成長する。
見た目が二十代程なら、それはもう成長しきった姿である。それ以上姿が老いる事はない。
というのも、そもそもこの世界は一日、一年…というのが現実世界と比べ長く、この世界の¨二十年¨は現実世界だとすれば¨四十年¨である。
体が成長しきってもすぐに寿命が来るわけでもなく、この時点では人生の半分か、それより少し多いかくらいの段階。
…¨ご主人¨は現実世界での時の流れ方に強い不満があった。
「時間のは流れはゆっくりなようで恐ろしいくらい早い。もっともっと、ゆっくり時間が流れてほしい」
そんな思いが現実になったのがこの世界である。
「時が経つほど醜くなっていってしまう」という恐怖もあったに違いない。
この世界は全て、¨ご主人の理想¨や¨ご主人の価値観¨で創られており、大人が少ないというのもご主人の望みなのである。
また、三十代から五十代程の大人も全く居ない訳ではないが、その者達は例外なく、この世界では絶対に¨悪者¨として扱われる。
改心の余地もない、完全な「悪」として、この世界に大人は登場するのである。
…ご主人にとって「大人」というのはそういう存在なのでしょう。
__なんと可哀想なご主人。
僕にきちんと実体があったのなら。このような虚構の存在では無かったのなら。
貴女と同じ世界に、僕自信の、自分の体を持って生まれる事が出来ていたら。
ご主人に、貴女に、こんな苦しい、辛い思いを必ず、絶対に、絶対にさせなかったというのに。
所詮、僕は貴女に創られた存在でしかない。人格と、思考しか持たない。自身の体を持たない。
僕も、赤目も、貴女の身代わりになる為に創られた緑目でさえも、貴女を真の意味で守る事は出来ない、出来なかった。
貴女が居なければ、僕は存在しなかった存在なのです。
だから、守りたいのに。
しかし、貴女が苦しんだ故に、逃げようとした故に、僕が存在しているのも事実。
貴女を苦しみから守りたかったけれど。
貴女が苦しんだおかげで僕はここに在る。
とても、複雑な気分。
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緑 - 砂利道の石さん» おっ向こうで色々書いときますねー、コメントありがとうございます〜 (2020年1月27日 20時) (
レス) id: 415ef305ab (このIDを非表示/違反報告)
砂利道の石 - えもえもですね！！よければ罪人についてもっと詳しく教えてもらってもいいですか？ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 58e7706d94 (このIDを非表示/違反報告)
緑 - まさかこれにコメントつくとはっ…ありがとうございます〜、これからも頑張りますっ (2019年12月30日 23時) (レス) id: 415ef305ab (このIDを非表示/違反報告)
黒井 屑(プロフ) - 罪人が個人的に一番好きです。更新頑張って下さい。 (2019年12月28日 23時) (レス) id: 3248997e70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒夜 緑 | 作成日時：2018年12月31日 20時
