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『任務おつかれ、ほいレモン味』
夏油「ありがとう。君はいつも私に飴をくれるけど何か意味はあるのかい?悟にはあげてないだろう?」
純粋な疑問と少しの期待を込めたそんな質問だった
竜胆Aという女性は淡白だ
人に同情や情けをかけることもないしかと言って冷たくする訳でもない
自分の領域にあるものは大切にそれ以外は無関心
数ヶ月同級生として過ごしてわかったことだ
だから彼女とペアになる度任務終わりにくれる飴の意味が気になった
割かとお菓子を持っていることが多い彼女は良く悟や硝子にもお菓子を渡している
ただ、任務終わりしかも直後に渡すのは私くらいらしく以前悟がお菓子を強請っていたが自分で買えと冷たく突き放されていた(もちろん笑ってやった)
だからそんな彼女がわざわざ毎回くれる飴、なにか意味があると私は彼女の中でも特別な存在なんだとそう思ったが
『あー、夏油と任務行く時いつも祓ってというか取り込んでくれるからそれ待つ時暇だから舐めてるの。』
特に意味は無いかなという彼女に淡い期待を抱いた自分を殴りたくなる
そうだ、彼女はわざわざ私のために飴を用意するような面倒なことはしない
『あー、嫌だったならこれからやめ((夏油「全く嫌じゃないから貰うよ。美味しくて好きなんだ」
そう?じゃあどうぞと私の手に飴をおとす
危なかった。彼女は気まぐれなところがあるから本当に飴をくれるのを辞めてしまう所だった
情けないことに初めての本命で私から彼女に声をかけることは未だにできていない
こういうささいな交流がなくなってしまうと最悪卒業まで話さないなんてことも有り得る
そうなったら無理だ。死んでしまう
ぎゅっと飴を大切に握る私を見て無理しなくていいよ舐めないなら貰うしとまた飴を奪われそうになったので急いで口に入れる
少し酸味がしてその後に甘みが広がる
あの呪霊の味の後の飴に少なからず私は毎回救われていた
『お口直しね』
彼女が私をみてそう笑ってすぐ前を向いて歩き出してしまった
ヒュッと息をのむ音が聞こえる
私の音だ
飴を舐めてるから声が出せない
"口直し"といった
彼女はどこまで知っているんだろう
何も知らないとしたらどこまで私を翻弄すれば気が済むんだろう
私は真っ赤になった顔を隠すようにその場にうずくまった
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名無し58428号(プロフ) - ヘタレ傑が良すぎる進化しそう (4月16日 3時) (レス) @page40 id: d193f19839 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - もう、めちゃ重ヘタレ夏油可愛すぎません?最高ですた (8月12日 7時) (レス) @page43 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - これで終わりなのは…すごく寂しいので…気が向いたら更新してくださいね。可愛い夏油さんのお話もっと読みたいです!…他に書きたい作品があるんですよね…いくらでも待ちます!🍟🍔😊💞 (2023年4月8日 20時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
マリオット@みるくおれ。(プロフ) - はいすき!!終わり方神 (2023年4月8日 12時) (レス) @page43 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
クジラ - 終わり方好きですそれだけです (2023年1月9日 11時) (レス) @page43 id: 69020aca8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山茶花 | 作成日時:2021年7月11日 20時