「ＢＲＯＴＨＥＲＳ ＣＯＮＦＬＩＣＴ」 行ってきます・・・そして、さよなら２。

別れ。 ページ23

私は明日一番の飛行機で、フランスへ行く。
日本を離れるなんて、つい最近まで考えた事も無かったのに。
朝日奈家を離れるなんて、想像したことも無かった。
悲しくないと言ったらウソになるけど、もう決めた事だから。

ル「A、もうそろそろサンライズレジデンスに着くよ？」

あ「うん、なんか緊張してきた」

ル「大丈夫、僕が行くんだから。Aはここから見てて？」

私はあれからみんなに宛てて手紙を書いた。
手紙と言うと大げさだが、１人１人に簡単なメッセージを書いたのだ。
いつこの手紙にみんなが気付くか分からないが、これを読んでいるみんなの顔が目に浮かぶ。

ル「どうしたの？笑ってるけど」

あ「ううん、ちょっとね」

ル「変なA」

あ「変かな？」

ル「変だよ。別れの手紙をこれから出しに行くのに」

あ「そうだね、変だよね。でも、色んな事思いだしたりしたら笑えてきちゃって」

ル「そっか、でもやっぱり変」



サンライズレジデンス前−

ルイが暗闇にまぎれて、郵便受けへ手紙を入れに行く。
出来る事なら、もう一度あのエントランスを通り、５階のリビングへ向かいたい。
そして、京兄の淹れてくれた紅茶を飲みながら、みんなで笑いあいたい・・・。


ううん、きっともうそこには、私の場所には絵麻ちゃんがいる。
絵麻ちゃんがいてくれるから、私は旅立てるんだ。

出来る事なら、絵麻ちゃんともっと仲良くなりたかった。
それだけが、心残りかな。
それと、京兄・つば兄・ゆうちゃんと仲直り出来たらいいんだけど。
ごめんね。



あ「朝日奈家のみなさん、今までどうもありがとう。これから家族１４人で仲良く幸せに暮らしてね。・・・ケンカしちゃだめだぞ」


ル「ふぅ、誰にも会わずにうまくいったよ」

あ「ルイ、本当にありがとう」

ル「さ、明日は早いんだから、ホテルに帰ってもう寝よう」

あ「うん」


さよなら、サンライズレジデンス。

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