「ＢＲＯＴＨＥＲＳ ＣＯＮＦＬＩＣＴ」 行ってきます・・・そして、さよなら。

お父さん。 ページ39

？「Aちゃん、ちょっといいかな？」

あ「えっと、どなたですか？」

？「ごめんね、自己紹介してなかったね。絵麻の父で麟太郎といいます」

あ「あっ、お、お父さんに・・・、なる」

麟「そうだよ、調子の悪い時にごめんね」

あ「いいんです、調子が悪くなったのは私のせいなので」

麟「いいよ、そのまま横になってて聞いててくれると嬉しいんだけど」

あ「すみません」

麟「これから言う事は、僕の独り言だと思って聞いててくれるかな？」


麟「絵麻はね、僕の仕事の関係でずっと小さいころから、そうだね弥君よりずっと小さいころから、１人で暮らしていたんだよ。けがをしたり、病気をしたり、そんな辛い時も１人で過ごしてきたんだよね。僕は授業参観にも行ってやれなかったし、発表会にも行ってやれなかったんだ。
だから、今絵麻は急にこんなたくさんの兄弟と、姉が出来てとても喜んでいると思うんだ」


麟「それと同時に戸惑っているとも思うんだよね。美和からもいろいろ聞いたけど、君たちの兄弟はとても素晴らしいと聞いているよ。君の事も聞いてる、とっても優しくて他人の気持ちを一番先に考える子だって・・・。絵麻ももちろん良い子だと思っている、でも兄弟姉妹との付き合い方が分からないから、うまくコミュニケーションをとる事が出来ないかもしれないんだ。だから、絵麻の事長い目で見てやってほしいんだよね。親バカだっていうのは分かってるけど」

あ「そうですね、絵麻ちゃんが一番戸惑ってるんですよね？分かります、私が朝日奈家に来た時もそうでしたから・・・。家の兄弟は自慢じゃないですけど、とっても出来た人たちだと思っています。絵麻ちゃんの事任せても大丈夫だと思います。私が言うんだから間違いありません！」

麟「君にそう言ってもらえてうれしいよ。ありがとう」

あ「私も麟・・・お、お父さんと話せてうれしかったです」

麟「それじゃ、そろそろ披露宴だから。君はもし体調が良くなったら顔を出してね」

あ「はい、分かりました」


あ「ふぅ〜、絵麻ちゃんのお父さんとても優しそうだった。いいなぁ・・・、って私のお父さんにもなる人なんだ。ウフフ、嬉しいかも」

絵麻ちゃん、今はちょっとすれ違ってるところもあるかもしれないけど、これからちょっとずつでも仲良くできると嬉しいな。
きっと、京兄も、つば兄も私と絵麻ちゃんの事きっといつかは分かってくれる・・・はず。

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