【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ28)

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173話ページ28

『…アフロディ、君でいいんだよね?ナイスシュート!』

「君でいいというか君だよ…ありがとう」

豪炎寺に続いて、彼の性別がよく分かっていない水城とハイタッチしたアフロディ。苦笑いしながらそう返した。

「ゴッドノウズを、神のアクアなしで決めたっス…!」

ゴールを決めたアフロディに目を丸くしていた雷門。あの凄まじく強力なシュートを自分たちのために使ってくれたこと、チームに貢献してくれたことで、アフロディへの疑惑が完全になくなった。

「いいぞ皆!このユニフォームを着れば気持ちは一つ!皆で同じゴールを目指すんだ!!」

「「「「おおっ!!」」」」

雷門イレブンの気持ちが、ついに一つになった。

「やるじゃないか…。これが雷門と、円堂守と戦っていた力だと言うのか…。叩き潰してやるよ…!!」

自身の髪を掴み一丸となった雷門を睨み付けたガゼル。先制点を取られ尚且つそれを取ったのは格下だと、連携できまいと見下していたアフロディだったのだ。気に食わない。アフロディも、円堂の力も、全部。

「見せてやるよ…絶対零度の、闇を!!」

「フローズンスティール!」

試合再開。ボールを持って上がっていく水城に先程リカを負傷させた必殺技が襲いかかる。怪我はなく上手く着地したものの、滅多にボールを奪われることがない水城がボールを奪われたことに角馬が驚きの声を上げた。ボールはゴッカからリオーネ、そしてドロルへ。

「ウォーターベール!!」

壁山がザ･ウォールで道を塞ぐも噴水のように噴き出した水流の壁で対抗され、そしてザ･ウォールは破られてしまった。ボールはガゼルに渡る。

「ふっ、凍てつくがいい!」

「こい!」

「ノーザン、インパクト!!」

後ろ回し蹴りのようにボールを蹴り付けたガゼル。凄まじい冷気を纏(まと)ってゴールへ真っ直ぐと向かう必殺技を見て、水城は『必殺技持ってたんだ…』と心の中で呟いた。ずっとノーマルシュートだったので仕方ないと言えば仕方ない。

「うおおおっ…正義の、鉄拳!!」

正義の鉄拳とノーザンインパクトがぶつかり合う。円堂が精一杯腕を伸ばすも足は徐々に地面を抉りながらゴールに近付く。そしてついに輝く拳は消え去り、シュートが決まってしまった。

「この程度とは、がっかりだね」

進化した正義の鉄拳さえも破ったノーザンインパクト。ゴールの中のボールを見つめ歯を食いしばる円堂に、ガゼルはそう言って笑った。その直後にホイッスル。1-1で前半終了だ。