【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ27)

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172話ページ27

「旋風陣!」

フロストからボールを奪った木暮。「どんなもんだい!」と笑うが「良い気になるな!」とガゼルが猛スピードで突っ込んでくる。その勢いに木暮は焦って綱海に即座にボールを送るが、焦ったせいで遠かった。

「パスが乱れたぞ!奪え!!」

ガゼルの指示によりバレンとブロウが綱海に襲いかかる。しかし2人の壁の隙間からアフロディが見え「ちょうど良いぜ…アフロディ!」と綱海はボールを送った。

「いくよ…」

先程のプレーからボールはこないのだろうと少し諦めていたアフロディ。しかしボールがきた。突然のことに驚きつつボールを上手くトラップして素早く上がっていく。綱海はサッカー初心者だ。つまりフットボールフロンティアのことも知らず、そしてドーピングの件も知らなかった。というよりは、あまり気にしていなかったという方が正しいのかもしれない。だからアフロディにパスを出した。ただ、そこにパスを出せる仲間がいたから。

「ヘブンズ、タイム!」

頭上で指を鳴らすと周囲の時間が停止した。ドロルとアイシーが走っている体勢のまま、まるで石像のように固まっている。その間を歩いて通り抜けたところでもう一度指を鳴らした。時間が再度動き出し、ドロルとアイシーが驚いて背後を振り返ったと同時に突風で吹き飛ばされた。

「ふっ、堕落したものだ。君を神の座から引き摺り下ろした雷門の味方をするとは」

「引き摺り下ろした?違う。彼の、円堂君の強さが僕を悪夢から目覚めさせてくれた。そして、新たな力をくれたんだ」

「君は神のアクアがなければ何もできない!」

ガゼルがアフロディの前に立ち言い、その返答に鼻で笑いボールを奪うために走り出した。「そんなもの、必要ない」そう言って、いつの間にか走ってきていた豪炎寺にボールを送る。ガゼルが目を見開いた。

「見せよう…生まれ変わった僕の力を!」

突破されたガゼル。豪炎寺に送ったボールはすぐにアフロディに返されついにゴール前へ。白く輝く羽を生やしたアフロディ。羽が大きく広がるのと同時に空中に浮いたボールが雷を纏(まと)う。高く飛んだアフロディは、それを勢いよく蹴り付けた。

「ゴッドノウズ!!」

前よりも威力が上がっている、と円堂と鬼道が驚いた。神のアクアを使っていないにも関わらず高威力のそれは、ベルガに必殺技を繰り出させる暇もなくゴールに突き刺さった。